文武両道を突き進む!U-18日本代表「吉井温愛」の選んだ進路

皆さんこんにちは!岡田桃香です!

今回は、女子野球の世界からやりたいことを学ぶために大学に編入し、男子野球の世界へ踏み込んだとても珍しい経歴をもつ吉井温愛選手にインタビューをしました!

【吉井温愛(よしいはるえ)】1999年12月21日生まれ。福岡県出身。
小学校2年生の頃に野球を始め、中学では男子のクラブチームに所属。高校は野球の名門履正社高校へ進学し、3年生ではチームの主将を務めながら女子野球日本代表のU18に選ばれ、キャプテンとしてアジアカップ優勝に貢献。また、翌年には履正社専門学校へ進学し、クラブチーム履正社RECTOVENUSに所属。女子野球ワールドカップの日本代表に選出され、世界大会6連覇に貢献と言うトップレベルの経歴をもつ。現在は教員免許取得のため鹿屋体育大学に編入し、男子硬式野球部で活動している。

男子野球部に所属して、その後女子野球の世界に入ると言うのは今の女子野球選手のほとんどが経験していることだと思いますが、女子野球から男子野球に行くと言うのはなかなか珍しいと思います。

高校以上でも男子と一緒にプレーをするのが珍しいという中で、なぜその道を選んだのか気になりますよね?

と言うことで!

大学編入を決めた理由は?

男子野球と女子野球の違いは?

大学の女子野球について

という現役選手が感じる現役選手ならではのテーマを聞いていきたいと思います!

話を聞いていて、私の中でもすごく共感する部分やなるほど!と思う部分があったので、皆さんぜひ最後までご覧ください!!

将来の夢を見据えて編入を決意 「やりたいことを学べる」環境に!

岡田
今日はよろしくお願いします!
吉井選手
よろしくお願いします!!
岡田
温愛ちゃんは今鹿屋体育大学に通っているんだよね?
吉井選手
そうだよ!履正社専門学校から編入で入学した!
岡田
どうして鹿屋体育大学に行こうと思ったの?
吉井選手
初めから鹿屋体育大学に行きたいって準備していたわけではなかったんだよね。
岡田
というと?
吉井選手
教員免許は取りたいなとは思っていたけど、体育の免許を取ることにこだわっていたわけでもなくて。それで、進路相談とかでいろいろな人に話を聞いていたんだけど、専門学校の教員に鹿屋体育大学出身の方が多かったんだよね。その方達に「すごい良い大学だよ」みたいな感じで色々教えてもらって、興味持って受けてみようと思って受けたんだ
岡田
そうなんだ
吉井選手
あと、鹿屋体育大学で野球の授業ができるって聞いたのも行きたいって思った理由の一つだったよ!
岡田
野球の授業ってすごいね!!
吉井選手
そうそう。
いずれ野球の指導する側になりたいなと思っていたから、野球についての理解も深められるし、それが自分の野球にも生かせれるんじゃないかなって思ったんだよね。
吉井選手
一回こっち(鹿屋)にくる機会があった時に設備とか野球部の練習とか見させてもらったんだけど、その時にここの大学だったら自分がやりたいこと学べるし、2年間で保健体育の教員免許状を取得できるというので、すごく条件が良かったから鹿屋体育大学に決めたよ!
岡田
そうだったんだね!

岡田
私が女子プロ野球のチームにいた時は年に3回鹿屋体育大学でキャンプみたいな感じで測定とか練習とかさせてもらっていたんだけど、良い人も多いし設備も本当にすごいよね
吉井選手
実は女子プロ野球の選手が測定でくることは知っていたんだよね(笑)
岡田
え、そうだったの?!
吉井選手
そうそう!
自分自身、女子野球との繋がりがゼロになるのはこの先しんどいなーとも思っていたんだけど、体大では女子プロ野球選手っていうすごい選手たちの測定とかの手伝いができるって聞いていたから、それも良いなって思っていたのも理由の一つではあったんだ!
岡田
そうだったんだ!女子プロのときは本当にすごくお世話になってたよ!

共通点は「野球が大好き」性別なんて関係ない!

岡田
大学では男子野球部に入っているんだよね?
吉井選手
そうだよ!
岡田
今まで女子野球でやってたと思うんだけど、大学で野球部に入るときはどんな感じだった?
吉井選手
めちゃめちゃ不安でしかなかったよ。
練習参加も3月から行くか4月から行くかですごく迷っていて...
でも先輩とかが、早めにこれるならきてみんなと打ち解けた方がいいと思うし、早めに練習参加しにきたら?って声かけてくれて、3月の中旬くらいから参加し始めたんだ!
岡田
不安はあるよね(汗)
実際参加してみてどうだった?
吉井選手
めちゃめちゃいいチームで、自分は本当に恵まれているなって思ったよ。
一番最初に練習に行った時に感動した
岡田
どんなところに感動したの?
吉井選手
私ができないこととかの方が多いけど、男子の選手が私のことをチームの一員としてみてくれているってところかな。プレーでダメなところがあった時も、変に遠慮しないで今のはこういう理由だからダメだよねとかちゃんと伝えてくれるし、全部一緒にやってくれるから、このチームに来て良かったなって本当に思う!
岡田
男女関係ないっていうのがすごく伝わってくる!
吉井選手
部活動内で仲が良いみたいな大学の特徴があって、野球部も野球部同士で仲が良いんだよね。みんな野球が好きだから自主練とか誘ってくれたりするし、私が誘っても「良いよー」ってやってくれるし、断られたことがないんだよね。
岡田
まじで優しすぎるね!!
じゃあ女子1人で困ったこととかはそんなにない?
吉井選手
うーん、そうだな〜。私が想像していたよりも遥かに良すぎてって感じかな。
ペアでトレーニングする時とかも私が1人で余らないように組んでくれたりするし、普通の人じゃ気づかないようなところまで気配りとかしてくれているから、特に困ったことっていうのは今のところはないかなぁ。
岡田
そこまでできるのって、もうすごいとしか言いようがないよね(笑)
吉井選手
そうだね〜(笑)まぁでももう1人女子選手がいてくれたらなって思う時もあるけど、自分で選んだ道やしって感じだね。
岡田
そっかそっか〜。
プレー面とかではどう?
吉井選手
キャッチボールの送球一つだったり、打球の飛距離とかパワーとかでやっぱり圧倒的な力の差は感じるけど、その辺もみんな割り切ってくれてるというか、それはそれって感じで思ってくれてるから、プレー面でも困ったなって感じたことはないかな。
岡田
男子側で理解があって、グランドで一緒にできるってすごく良いことだよね!

現役選手が感じる男子野球、女子野球のそれぞれの魅力の違いとは?

岡田
女子野球から男子野球に行くってなかなか珍しいと思うけど、やっぱりガラッと世界は変わった?
吉井選手
全然変わった!
岡田
女子野球との違いとかって何か感じたことはある?
吉井選手
戦術一つとっても、やっぱり男子野球の方ができることが多いのかなって感じたかな。もちろん女子野球も楽しいし、女子野球でしかない魅力とかもあるけど、戦術とか会話とか見ると、そこが女子野球と男子野球の違いなのかなって思った。
プレー面で言えばスピード感も全然違うし、やっぱりバットが木になるからそこかな。
金属と違って木のバットは使い方が上手くないと全然飛んでくれないからね。
岡田
温愛ちゃんも木で打ってるの?
吉井選手
入学してから全部木で打っていたんだけど、監督からアドバイスを頂いて、
最近は金属も使うようになったよ。
OP戦は木だけど、紅白戦とかバッティング練習とかは金属でも打っているよ!
岡田
めちゃくちゃ理解あるね!感動した!
吉井選手
技術の細かいところまで教えてくださったり、良くなったところとかも褒めてくださるし、指導者の方々にも恵まれたなって思う
岡田
入部する時に監督さんと話すと思うんだけど、その時はどんな感じだったの?
吉井選手
選手として活動してもらって大丈夫ですよ、一緒に頑張りましょう、みたいな感じで言ってもらったかな。
岡田
うわぁ、めちゃくちゃ良い...
吉井選手
野球以外の部分でも、やりたいって言ったことを色々やらせてもらっていて本当に充実してる!!

大学野球の試合事情について

岡田
温愛ちゃんは試合とかは出てるの?
吉井選手
公式戦に関しては、レベルが違うから自分の実力不足だと思っているし、もっと頑張らないとなって思っているけど、練習試合とか紅白戦には出させてもらっているから、それはそれで自分にとってはすごく大きな経験をさせてもらっているなって思っているよ。
岡田
そっかそっか。
何度か私も合同練習とかさせてもらってたけど、鹿屋体育大学の野球部ってめちゃくちゃ意識高いよね。
吉井選手
私もそれが一番びっくりした!
ここまでみんなで神宮目指してやってるっていうのが本当にすごいし、練習終わっても残って練習やったりとか、練習の意識も全然違くて。
毎回学ぶことが多いし情報量とかも多すぎるから本当にすごいなって思う。
岡田
すごいな〜。
今まで大学入って練習試合とかしてきて、女子選手にはあったことはある?
吉井選手
まだ出会ったことはないかなぁ。
岡田
まだないか!
前に沖縄県の名桜大学の野球部を取材させてもらったんだけど、そこに3人女子部員の子がいるんだよね。
吉井選手
あー!知ってる知ってる!そうみたいやね〜!
岡田
あ、本当?同じ九州連盟だからあったことあるかな〜って思って!
吉井選手
まだなかったな〜。
でも、9月からリーグ戦がはじまるんやけど、リーグ戦で勝ち上がったら今年は沖縄県で南部九州のブロック大会があるんだ!
だから、もしそこで一緒になれれば良いな〜って思う!
岡田
そうなんだ!
お互い勝ち上がって一緒になれたら良いね!
もし一緒になれるんだったら取材させてもらった縁もあるし、すごく見に行きたいな〜...
コロナがなければ(泣)
吉井選手
そうだね...コロナ次第だよね...

現役選手が感じる大学女子野球の現状について

岡田
大学の女子野球についてはどう思う?
吉井選手
やっぱり、高校の女子野球に比べると全然少ないと思うし、どうにかしたいなとは思うかな。やっと中学から高校で野球がやれる環境がちょっとずつ増えてきた中で、大学が少なすぎるのかなって
岡田
うん確かに少なすぎるよね。
大学ってすごくお金がかかる場所だと思うし、近場にあれば良いけど遠くにしかないってなった時に、そこで学びたい勉強があるかどうかもわかんないもんね...
吉井選手
やりたい勉強ができる中で、さらに野球もできる環境ができるのが一番良いけど、実際は難しいよね。行きたい大学に行けたとして、そこに男子野球部しかなかった場合も監督とかチームメイトの理解も必要になってくると思うからね。ほとんどの人は大学に進学してから就職すると思うし、そうなるとやっぱり女子野球部のある大学が少ないっていうのは、将来を考えた時に選択肢が減ってしまうのかなって思うな
岡田
そうだね...
吉井選手
野球をやらせてもらえるっていうのもすごくありがたいことだけど、野球をやりながら学びたいことを学べるって幸せだなってすごく思ってて、そう言った環境が増えれば良いなって思うな。
岡田
その環境が増えれば女子野球はもっと発展していくよね!
今日は貴重な時間をありがとう!!
吉井選手
こちらこそありがとう!!

高校卒業後の選択肢

女子野球は高校卒業した後に野球を続けるとすれば、現状は企業チームかクラブチームに進む人が明らかに多いのかなと感じます。

現在女子野球部がある大学は全国で8校しかありません

男子野球の場合は高卒でプロに行くのか、大学に行ってプロに行くのか企業に行くのかという流れが出来上がっていると思いますが、女子野球の場合は高校卒業後の選択肢が本当に少ないと思います。

吉井選手が言っていたように、中学から高校への導線が増えてきているなかで、高校から大学へ進む道がまだまだ少なすぎます。

でも、今すぐに大学に女子野球部を増やすというのはすごく難しいですし、時間のかかることだと思います。

そうなった時に、吉井選手の存在を知る人が増えることで、選択肢の幅が増えるのかなと思います。

また、このように素晴らしい環境や設備を整えて、尚且つ選手自らがやりたいことをやりたいと言える環境、実行できる環境を整えている鹿屋体育大学さんも本当に素晴らしいと思います

将来やりたいこと、学びたいことを勉強しながら尚且つ野球にも打ち込めるという環境が増えていくように、それが男子女子関係なく広がっていくように私自身も伝えていきたいなと思いました!

今回取材させていただいた吉井選手は、女子野球ワールドカップで6連覇を果たしている日本代表に選出され、女子野球トップレベルの本当に素晴らしい選手です。

話をしていても、ものすごく謙虚でしっかりと自分を持っていて、でもほんわかしていて話していてすごく有意義な時間でした!

今は自分自身のレベルアップをしながら、女子野球の普及発展にはどんどん協力していきたいと話していました

そんな吉井選手を私は応援しています!!

それでは今回はこの辺で!バイバーイ!

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