【順位・チーム記録編】2022年ヴィーナスリーグ成績集計

今年からリーグ編成が変更となり、関東連盟に所属する大学3チーム、クラブ8チームの合計11チームによって争われたジャイアンツ杯争奪ヴィーナスリーグはエイジェックが連覇を達成。

各チーム10試合と昨年と比べても試合数が増加した2022年のヴィーナスリーグを記録で振り返っていきます

第一弾はチーム記録編。11チームの投手・打撃成績から各チームがどの様な戦いをしてきたのかを数値の面から分析していきます。

※本記事上の記録はmegaphone独自の集計です。

2022年ジャイアンツ杯争奪ヴィーナスリーグ結果

チーム打撃成績

順位チーム名試合数打席打数安打得点打点塁打三振四死盗塁
1エイジェック822418053443470203615
2埼玉西武LL82751995350336530606
3尚美学園大学92642186849438420357
4アサヒトラスト102862537831258836286
5平成国際大学924922655211569212320
5ZENKO BEAMS102832496330267519266
7ゴールドジム1026823860282678362920
8ハナマウイ92572165823147130298
9102862305421186433395
10日大国際82432033829154649334
11GOODJOB
バンディッツ
922419234131139272610
※試合数は不戦勝・不戦敗を除く

今季の総得点を見ると、エイジェック・埼玉西武LL・尚美学園大学の上位3チームが拮抗する結果となった一方で、安打数は多くのチームが1試合あたりおよそ6本とあまり差がない結果に。単純な“打力”は各チームで大きな差はないものの、打球判断などの走塁面やチャンスで確実にランナーを返す勝負強さ、送りバントや進塁打といった小技といった、この表からは測ることができない部分も女子野球においては得点に繋がる重要な要素であることが推測できます。

四死球の数を見比べると、ほとんどのチームが30個前後の中で埼玉西武LLは60個という特異的な数値を記録。全日本選手権やクラブ選手権でも四死球の多さや出塁率の高さが目立った埼玉西武LL。チーム単位での“繋ぐ意識”や“出塁に対する意識”の高さが窺えます。そしてその意識の高さは全チーム中最多得点という結果にも結びついています。

埼玉西武LL・出口彩香主将
埼玉西武LL・出口彩香主将

チーム打撃各指標

順位チーム名試合数得点打率長打率出塁率OPS
1エイジェック844.294.389.412.801
2埼玉西武LL850.266.327.436.763
3尚美学園大学949.312.385.407.792
4アサヒトラスト1031.308.348.377.725
5平成国際大学921.243.305.313.619
5ZENKO BEAMS1030.253.301.324.625
7ゴールドジム1028.252.328.333.661
8ハナマウイ923.269.329.355.684
91021.235.278.346.624
10日大国際829.187.227.301.527
11GOODJOB
バンディッツ
913.177.203.275.478
リーグ平均33.9.255.312.353.665
※試合数は不戦勝・不戦敗を除く

続いて、各チームの打率・長打率・出塁率・OPSがこちら。3位の尚美学園大学、4位のアサヒトラストはチーム打率.300超えという好成績を記録。明日投稿予定の個人打撃成績でもこの両チームの選手は各部門で頻繁にランクインしています。

また一覧にして見ると、長打率と出塁率を足した数値であるOPSと順位との相関関係が非常に高いことが分かります。OPSで拮抗した成績を残している上位3チームの内訳を見ると、エイジェック・尚美学園大学は長打力、埼玉西武LLは出塁率が優れているというチームカラーが出る結果となりました。

エイジェック・辻野玲奈主将
エイジェック・辻野玲奈主将

チーム投手成績

順位チーム名試合数回数打者被安打奪三振失点自責四球死球
1エイジェック85220838481010144
2埼玉西武LL85622840441212224
3尚美学園大学95826259302020307
4アサヒトラスト1065 2/329348292929368
5平成国際大学96023536221414202
5ZENKO BEAMS1066 1/328155472424216
7ゴールドジム1041 1/3207422036362614
8ハナマウイ960 2/326750232727375
9106630882233935255
10日大国際85324555122828274
11GOODJOB
バンディッツ
95327574164646373
※試合数は不戦勝・不戦敗を除く ※ゴールドジムは一部記録不明部分あり

続いて、チーム投手成績がこちら。失点数を見ると1位のエイジェックと2位の埼玉西武LLがそれぞれ8試合で10失点、12失点と非常に優秀な成績を記録。女子野球では7イニングでロースコアのゲームが多いだけに、この失点の少なさがチームの順位に直結していることが分かります。

また、平成国際大学は9試合中8試合を2失点以下に抑え、合計14失点と上位2チームと遜色がない結果になりました。エイジェックや埼玉西武LL相手にもロースコアで引き分けとするなど、投手陣が安定した活躍をしていたことが分かります。

チーム投手各指標

順位チーム名試合数防御率WHIPK/7BB/7K/BB
1エイジェック81.351.006.461.883.43
2埼玉西武LL81.501.115.502.752.00
3尚美学園大学92.411.533.623.621.00
4アサヒトラスト103.091.283.093.840.81
5平成国際大学91.630.932.572.331.10
5ZENKO BEAMS102.531.154.962.222.24
7ゴールドジム10-----
8ハナマウイ93.121.432.654.270.62
9103.711.622.442.650.92
10日大国際83.701.551.583.570.44
11GOODJOB
バンディッツ
96.082.092.114.890.43
リーグ平均3.111.383.483.271.06
※試合数は不戦勝・不戦敗を除く ※ゴールドジムは一部記録不明部分があるため未算出

続いて、各チームの防御率・WHIP・K/7・BB/7・K/BBがこちら。前述の通り、エイジェック・埼玉西武LL・平成国際大学は防御率1点台と好成績を残しています。その他各指標の中で、1試合(7イニング)あたりの奪三振数を表すK/7が順位との相関関係が高いという結果に。女子野球では比較的三振が少ない傾向にありますが、奪三振能力が高い投手を擁するチームの方が上位成績を残しやすいという傾向が見て取れます。

奪三振と与四球の比率を表すK/BBではZENKO BEAMSが優勝のエイジェックについで好成績を残しています。三振と四球は野手の影響を受けないプレーのため、純粋な投手能力を測る指標の一つとして扱われるものです。ZENKO BEAMSは日本代表のエース・田中露朝と高卒2年目の好左腕・泰美勝の2投手が全体の9割近いイニングに登板し、チームを支えています。

ZENKO BEAMS・田中露朝投手
ZENKO BEAMS・田中露朝投手

ヴィーナスリーグチーム記録編、いかがでしたでしょうか?

年間通して10試合を行う中で、各チームが『打のチーム』なのか『守のチーム』なのかという部分も成績の中から見えてきます。また、チームとして上位の成績を残していくためにはどのようなプレーが必要となってくるのか推測していくこともできます。

明日からは個人の打者・投手成績を紹介していきます。お楽しみに!!

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