【後編】女子野球選手100人アンケートコントロール部門1位 埼玉西武ライオンズレディース・里綾実

昨年末、megaphoneでは「直球」「コントロール」「変化球」「長打力」「バットコントロール」「走塁」「守備」の計6部門で100人の女子野球選手にアンケート調査を行いました。

今回はコントロール部門1位に輝いた里綾実投手へのインタビュー【後編】です。前編ではコントロールを安定させて試合を作っていくために身体の使い方を常に意識するということをお話しいただきました。

後編では試合中での配球の考え方や里投手を目指す後輩投手へのメッセージ、今シーズンの目標についてお話しいただきました。

“普段のコミュニケーションからバッテリー間の意思疎通を”

小石
コントロールが良いとバッテリーの配球がより生きてくるのかなと思うのですが、試合中の配球はどのように決めていますか?
里投手
キャッチャーが出したサインでも、ちょっと違うなと思えば首は振りますし、このボールの方がいいというボールがあればそのサインが出るまで首は振ります。
小石
首はよく振る方ですか?
里投手
場合にもよりますが、意思疎通できた時はすんなりいきます。なので、そうなるように「あの場面はこういう球を投げたかった」とか、打者に捉えられ始めた時に「もうちょっとスピードの変化つけよう」とか「ストライクに球がまとまりすぎてるからもっとボール球使っていこう」という話をします。「今のはよかったから続けよう」とかそういう話もします。
小石
やはりコミュニケーションは良いバッテリーには必要不可欠ということなんですね。里選手の目指している投手像について、もしあれば教えて頂けますか?
里投手
あまりプレーの部分ではないのですが、考え方の面では田中将大投手やダルビッシュ有投手は、凄い参考にしています。ピッチャーとしてただ凄い球を投げるだけではなくて考え方や取り組み方、ピッチャーとしての姿勢の部分とか、凄い確立されているというか自分を持っているというかその部分が凄いなと。誰かに憧れてこうなるのではなく、自分は自分で確立できるようになれたらと思います。
小石
私から見ると既に女子野球界で「里綾実」は確立されていると思うのですが如何でしょうか...
里投手
悪いなとは思っていないですが、選手でやっている以上はずっと向上心を持って、今よりも上手くなりたいとずっと思っているので、満足はしていないですね。良いピッチングをしたにしても試合の中で反省するところはあったと思うので、そういうところをなくしてもっと上を目指していきたいです。
小石
ストイックですね、勉強になります。里さんを目標としている後輩の投手に向けてアドバイスがあればお願いします。
里投手
まず1番は人と比べたりとかするのではなくて、自分がどういう球を投げた時が1番良いのかということを知ることが大切だと思います。『今やっていることをさらによくするために』ということを考えて、トレーニングなどには取り組んで欲しいと思います。
小石
様々な選手の動画などを手軽に見ることができる時代なので、どうしても憧れの選手に近づきたいという気持ちにはなってしまいそうですが...
里投手
人と比べて「あの人は腕を速く振って速い球を投げれるから自分も速く振って投げよう」と考えてやっても、その人にあってなければ怪我に繋がってしまうこともあると思います。そうならない様に自分にとってのベストな身体の使い方を知るということが大切だと思います。
里投手
例えば、同じカーブの握りをして投げても、腕の振りも離すタイミングや角度も違うので同じボールにはなりません。その違いの部分を活かそうとすれば自分のものになりますが、「あの選手みたいになりたい」というようにやるとなかなか上手くいかないかなと。
小石
確かにそうですね。
里投手
投げ方も球の速さも違うので「自分の強みってなんだろう」と考えて、それをピッチングで活かすことが大切だと思います。ライオンズもみんな違う性格でピッチングスタイルも違うピッチャーばかりですが、その中でもみんな良いピッチングをすることが多いです。それぞれの投手が自分を持っているからこそそういう結果が出ると思ってます。同じタイプのピッチャーなら参考にはしても良いとは思うのですが、細かいところは必ず違うので、自分自身と向き合ってやって欲しいと思います。
小石
誰かに近づけようとするのではなく、自分の持ち味を活かすということですね。貴重なアドバイスをありがとうございます!

“一味違ったチームだと初めて試合を観たお客さんに思われるように” 里投手の今シーズンの目標

小石
昨日からヴィーナスリーグもスタートしましたが、今シーズンの目標を教えてください。
里投手
ヴィーナスリーグは昨年初参加で、最初に2連敗して入れ替え戦にもいけませんでした。やはり勝つために活動しているので、試合で結果を出せるようにやっていきます。あとはジャイアンツができたりとかそういう面で注目のされ方も変わってくるので、「一味違ったチームだな」と思われるようになれたらなと思います。
小石
NPBチームのパイオニアとしてもライオンズさんは注目を集めることは多いと思います。
里投手
そうですね。女子野球を初めて観に来る人たちがいたとして、ライオンズに代表の選手が多いとか、元プロの選手がいるということは調べれば出てくることだと思います。そういった前情報を持って初めて観た時に「こんなもんか」と思われたら終わりだと思うので、試合一つにしてもただ勝つとか結果だけではなくて、内容も含めて「なんか違うな」という試合にしたいと思います。
小石
初めて見る人の想像を超えていくようにしたいと。
里投手
そうですね。
小石
最後に、里選手から発信したいことがあればお願いします。
里投手
今は少しずつチーム数が増えたり、高校の女子野球が盛り上がっていたりしている中で、女子野球を拡めたいという思いはみんな持っていると思います。これから女子野球が世の中に根付いていくためにみんなで一緒に協力していけたらなという思います。
小石
チームも年齢も関係なくみんなで協力してということですね。
里投手
そうですね。初めから盛り上がっているところではなくて、自分たちが盛り上げようという。年齢とかも関係なく、みんながそう思ってくれれば、エネルギーもあって凄い良い競技になると思います。その中でお互い切磋琢磨してできればなと思います。ただ、続けていかないと意味がないので、怪我で競技を離れるとか悔しい思いをすることはないように、その中でも熱い思いを持ってやっていけたらなと思います!!
小石
里選手の熱い思いは多くの選手に伝わると思います!!今日はありがとうございました。
里投手
こちらこそありがとうございました!!

W杯3大会連続MVPを獲得し、今回のアンケート企画でも投手全部門で多くの得票数を集めた里綾実投手。投手としての向上心や練習への意識の高さはもちろん、女子野球界全体の盛り上がりに向けて熱い思いを語っていただきました。今シーズンも里投手の活躍に目が離せません!!

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