
WHIP、FIP、K/BB。近年、目にする機会が増えた選手の成績を表す様々な指標。野球ファンや選手、指導者でもよく分からないということは多々あると思います。今回は数ある指標の中から、基本的な指標と個人的に面白いと思う指標を選んで紹介していきます!!
第2弾は投手編です!!
※2021年ヴィーナスリーグプレミア7、15イニング以上投球している選手から各指標で優秀な選手を紹介しています(成績はmegaphone独自集計)。
防御率

投手部門では最も一般的に用いられている指標である防御率。1試合(女子野球では7イニング)あたりに何点取られるのかという意味を持ちます。昨年のヴィーナスリーグプレミア7で最も優秀な防御率を誇った小松投手の成績は0.39。これは3試合完投して約1点しか取られないという驚異的な成績です。
選手名 | 所属チーム | 防御率 |
小松 圭保 | エイジェック | 0.39 |
草間 莉央 | 日大国際 | 0.68 |
田中 露朝 | ZENKO BEAMS | 2.63 |
FIP

純粋な投手の能力を測ろうと考えた際、単打や二三塁打、ゴロアウトやフライアウトは守っている野手の能力に左右されてしまうため除いて計算するという考え方。女子野球では柵越えの本塁打がほとんどなく、ランニングホームランこそ野手の影響を大きく受けるプレーなので、FIPで投手を評価することは適してないように思われます。
WHIP

1イニングあたり何人の出塁を許すかという指標。集計内トップの小松投手の0.33という成績は3イニングに1人しか出塁を許していないという計算になります。防御率でもトップの成績を誇る小松投手。WHIPからもいかに得点することが難しいか分かります。
選手名 | 所属チーム | WHIP |
小松 圭保 | エイジェック | 0.33 |
草間 莉央 | 日大国際 | 0.78 |
田中 露朝 | ZENKO BEAMS | 1.02 |
K/9

9イニングあたり何個の三振を奪うかという指標。女子野球の場合、K/7として考えることができます。ここでは田中露朝投手がトップの成績に。女子野球では三振が比較的少ない傾向がある中で、田中投手はリーグトップの16奪三振を記録しています。
選手名 | 所属チーム | K/7 |
田中 露朝 | ZENKO BEAMS | 6.00 |
小松 圭保 | エイジェック | 5.06 |
鈴木 ちなみ | アサヒトラスト | 3.68 |
BB/9

9イニングあたり何個の四球を与えるかという指標。女子野球の場合、BB/7として考えることができます。ここでも、小松投手が0.78という圧倒的な成績を記録しています。これは完投しても1つ四球を出すか出さないかという数値です。
選手名 | 所属チーム | BB/7 |
小松 圭保 | エイジェック | 0.78 |
鈴木 ちなみ | アサヒトラスト | 1.84 |
田中 露朝 | ZENKO BEAMS | 2.63 |
K/BB

三振と四球の比率。FIPの解説にある通り、三振と四球は野手の影響を受けないプレーのため、純粋に投手の能力を測ることができます。今回集計した中では、奪三振率と与四球率の双方で優秀な成績を残した小松投手がK/BB=6.50という圧倒的な成績を記録しています。
選手名 | 所属チーム | K/7 | BB/7 | K/BB |
小松 圭保 | エイジェック | 5.06 | 0.78 | 6.50 |
田中 露朝 | ZENKO BEAMS | 6.00 | 2.63 | 2.29 |
鈴木 ちなみ | アサヒトラスト | 3.68 | 1.84 | 2.00 |
投手編、いかがでしたでしょうか?今回さまざまな指標を調べている中で、打者指標以上に投手指標はそのまま流用することが難しいように感じました。イニング数の違いはもちろん、奪三振・四死球・本塁打などの出やすさがMLBやNPBとは全く違うので、同等に評価することは適していないと思われます。
女子野球はまだまだデータ化されていない部分や統計が取れていない部分も多いです。今後、統計をとっていく中で女子野球オリジナルの指標が生まれることもあるのではないでしょうか。
数値化できない魅力はもちろん、数値化されることで気付く魅力についてもmegaphoneで取り上げていきたいと思います!!