
8月7日に開幕し、30試合の熱い戦いが繰り広げられてきた伊予銀行杯第17回全日本女子硬式野球選手権大会。
関東の強豪社会人チームとして初優勝を狙うエイジェックと、7月の全日本選手権覇者で2016年以来の優勝を目指すIPU環太平洋大学がそれぞれ前日の準決勝に勝利し決勝に駒を進めた。
しかし、早朝から降り続いた雨の影響によりグラウンドは以下の写真の様な状況に。天候が回復する見込みもなく、予備日が設定されていない今大会は両チーム優勝として幕を閉じた。

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第17回大会はエイジェックとIPU環太平洋大学の優勝!!

決勝戦の中止が決定したおよそ30分後、室内練習場内で閉会式並びに両チームの表彰が行われた。1本の優勝旗をエイジェック・小島也弥主将とIPU・辻倉彩水主将が同時に受け取るという珍しい光景となった。

両チームの写真撮影を終えた後、エイジェック・中村恵吾コーチがマイクを握った。
「優勝の瞬間のマウンドに集まるアレ、やってませんよね?世界初の2チーム同時でやってみませんか?」

中村コーチ発案により、エイジェック・小松圭保投手、IPU・大坪真実捕手がバッテリーを結成。
中村コーチ実況の下、審判役としてエイジェック・五十子貴治部長、最後の三振をする打者役として宮野友宣大会実行委員長が参加した。


動画はこちら(エイジェック・中村恵吾コーチTwitter)
6日間に及んだ大会はこれにて閉幕。決勝戦が悪天候により中止という結果にはなってしまったものの、初優勝のエイジェックと二度目の優勝のIPU環太平洋大学、両チームの名前が女子野球界の歴史に刻まれた。
2回目の出場で初優勝を勝ち取ったエイジェック(栃木県)

1回戦:対 履正社高校 10-0(3回コールド)
2回戦:対 至学館大学 4-0
3回戦:対 阪神タイガースWomen 1-0
準決勝:対 東近江バイオレッツ 4-1
準決勝までの4試合を通して1失点という圧倒的な投手力・守備力で初優勝となった。
広橋公寿監督は「ここまで選手たちがよく頑張ってくれました。この大会のために厳しい練習をやってきました。コロナ禍でしたが、選手たちは工夫して妥協せずにやってくれたので、素晴らしいチームだと思います。昨日は久々に一点を取られましたが、投手陣がよく頑張ってくれました。小松はもちろんですが、高卒新人の小野寺や竹村もあれだけ頑張ってくれていたので嬉しいですね。さらに投げれなかったベテランピッチャーがうまくサポートしてくれたということが素晴らしいと思いますね。」と話した。
2016年以来2度目の優勝となったIPU環太平洋大学(岡山県)

1回戦:対 熊本県立大学レッドホークス 不戦勝
2回戦:対 秀岳館高校 5-4
3回戦:対 岡山学芸館高校 6-0
準決勝:対 東海NEXUS 7-3
IPU環太平洋大学は2016年以来の2度目の優勝となった。
堀田一彦監督は「こういう形での優勝となりましたが、天候なので仕方ないですね。優勝には間違いないです。ミスをしたら負けるというのは分かっていたと思うので、どういうミスをしたらいけないかというのをつぶしながらきましたので、今大会ではミスが少なかったです。選手たちは役目をちゃんとこなしてくれたと思います。1番が出て、2.3番がうまく送り、4.5番で返すという本来の野球ができました。ピッチャー陣は1.2年生中心で、竹内が抑えに回ってくれたりという良い形でできました。4年生は秋の大学選手権に全員残るので、4年生全員をどこかで使ってあげて良い形で卒業させてあげたいなと思います。」と話した。
両チームはクラブ選手権・大学選手権と各カテゴリーの日本一を決める大会に向けて再始動する。