
今季のヴィーナスリーグ・プレミア7で最多投球回を記録した投手、侍・亀谷なる実選手にインタビューしました。
亀谷投手は侍のエースとしてヴィーナスリーグ全試合登板となる6試合に登板し2完投。さらには入替戦でも登板し、敢闘勝利をあげた。亀谷投手は全投手中唯一となる対戦打者100人を超える投球をしています。
また、公式戦終了後もジャイアンツ球場で行われた東西選抜交流対抗戦、元プロ野球選手も多く参加しているオールネーションズチャリティーマッチに参加するなど、1年間を通して女子野球界を支える活躍をしたシーズンでした。
亀谷さんは現在、投球改善ツール「キレダス」の営業としての仕事をしているなど、仕事も野球漬けの生活を送っています。

【亀谷なる実(かめたになるみ)】1994年4月6日生まれ。東京都出身。
小学校2年生から野球を初め、夏の全国大会最多7回の優勝を誇る名門・埼玉栄高校に進学。卒業後は東洋大に進学し、クラブチーム「侍」に入部。その後保育士として4年間働き、今季からは投球改善ツール「キレダス」の営業に転職。今季のヴィーナスリーグ・プレミア7では全チーム内で最多投球回を記録した(megaphone集計)。
Contents
プレミア7で最多投球回 今季を振り返って


小石
今日はよろしくお願いします。

亀谷選手
こちらこそよろしくお願いします!!

小石
亀谷さんはmegaphoneの集計で、亀谷さんはヴィーナスリーグ・プレミア7で最多投球回でした。

亀谷選手
今の段階では「いっぱい投げている人」でしかないので、勝ちに繋がるという部分に拘っていければと思います。

小石
どういった投手を目指していますか?

亀谷選手
三振を取るタイプではないので、勝率・防御率にこだわりたいです。

小石
チームとしてはどうでしたか?

亀谷選手
成績は全然でした...夏もクラブ選手権も1回戦負けだったので。ヴィーナスもなんとかプレミア7に残留できた、なんとか食らいついたという感じなので、反省はたくさんあるし、改善点もたくさんあるし...チームとしては悔しいシーズンだったと思います。

小石
関東に新しいチームもできている中で、どういった部分を強みにして戦っていきたいと思いますか?

亀谷選手
個人で言えば、平日できることをやって土日にしっかり合わせて自分で調整していくということをしっかりやっていければなと思います。チームとしては練習量は叶わない部分もあるので、そこのカバー、平日それぞれ自覚を持ってやれているかというところ、土日の練習でどれだけ効率よくやれているかというところだと思います。

小石
「120km/hを投げる」ことを目標としてSNS活動もやられているようですが...

亀谷選手
そうですね。120キロということを分かりやすい数字の目標としています。

小石
どういった取り組みをしているのですか?

亀谷選手
1年間くらい、球速をあげようと自分で頑張ってみましたが、一人でやるには限界があったので、人の力を借りるのが大事かなと。最近は、トレーナーの方に個人的にみてもらって、身体のことをわかっている方に指導していただくことをやっています。

小石
というと?

亀谷選手
身体を調整して動きやすくするというのをやっています。「ここが固まっているから緩めたら可動域が広がって球速が上がりますよ」というような、身体の調整をして投げやすくするというのをやっています。
東西選抜対抗交流戦・オールネーションズチャリティーマッチにも出場

小石
先日の東西選抜対抗交流戦はどうでしたか?

亀谷選手
いやー楽しかったですね。結構お客さんも入っていて、投げている間は全然入ってこないのですが、挨拶とかするときにパッとみると応援してくれている人がたくさんいるんだなと、あの球場でやっていて感じましたね。

小石
関東選抜の選手との交流はありましたか?

亀谷選手
磯崎さんは1年位侍にいてもともとチームメイトだったので、久しぶりに長い時間ベンチに一緒にいたので野球の話はしました。「2ストライク追い込んだら何を意識して投げているの?」ということを聞いたりはしました

小石
年下の選手も多く参加していましたが、何か感じたことはありましたか?

亀谷選手
キャプテンの生井さんとは2日間バッテリーを組んで。これは磯崎さんとも話したことですが、打たせてとる系のピッチャーはキャッチャーとの合わせ方が難しいなと。ストレートが速かったり、絶対的な決め球を持っているピッチャーは誰と組んでもある程度打ち取れるのかなと。その点は生井さんがうまくやってくれたので、ボロボロにはならずにすみました(笑)


小石
普段は対戦する選手たちと同じプレーしていかがでしたか?

亀谷選手
全員がほぼ初めてという中で、この子のこれはすごく上手いなということは色々ありましたね。


小石
特にどの選手が印象に残りましたか?

亀谷選手
ZENKOの泰さんとか、ゴールドジムの玉城さんとか、年下なのになんでそんなに落ち着いているんだろうな、すごいなって思いました。

小石
泰さんは最年少ですが、「緊張はしなかった」と言っていました。

亀谷選手
凄いですよね(笑)関西も凄いいいバッターがいたと思うのですが、みんな普通に抑えていたので、「めちゃくちゃプレッシャー!!」と思っていました。

小石
関西で印象に残った選手はいましたか?

亀谷選手
関西の選手だと名前は知っているけど見たことはないという選手ばかりでした。古谷さん(淡路BO)とか、阪神の水流さんとかは初めてちゃんと見て、やっぱり凄いなと感じましたね。


小石
11月にはオールネーションズのチャリティーマッチにも参加されていましたね。

亀谷選手
竹村さんと古市さんという方とラジオをやっていて、古市さんはオールネーションズに何回か参加していて、竹村さんも毎年写真を取りに行っています。去年、古市さんに「試合に向けた練習に参加してみないか」と声をかけていただいて、練習に参加しました。去年はそのイベントは上からみていました。

小石
今年は投手として試合に出場していましたよね?

亀谷選手
前々から「今年は出なよ」と言われていましたが、直前までは「本当に言ってるのかな?」と。前日に手伝いながら「明日って私はどういう感じですか?」と話していると、「もう出るから」と言われ、出させていただきました。

小石
ちゃんと決定したのは前日だったんですね...

亀谷選手
そうですね。前から「投げなよ」とは言われていたのですが、私が「本当なの?」と半信半疑で、ちゃんと確信したのは前日です。

小石
プレーしてみてどうでしたか?

亀谷選手
個人的には、ストライクゾーンが広くて投げやすいなと思いました。あとは、ピッチャー返しは怖いなとは思いました。間近でいいプレー、球速が速い、いいバッティングを見られるのはすごい刺激になりますし、来年も目指していきたいなというモチベーションになりました。

小学校2年生で野球を始め、中学校から女子野球の世界へ。亀谷さんの野球人生


小石
野球を始めたのは?

亀谷選手
小学校2年生の時です。そのチームには同じ学年に4人女子選手がいたので入りやすかったですね。レギュラーも3人が女子選手でした。当時としてはかなり珍しかったと思います。

小石
今は少年野球でも女子選手が増えていますが、同級生で4人は凄いですね。

亀谷選手
小学校が一緒でたまたまその学年に集まっていました。上にも下にも女子選手はいたので、女の子も結構入りやすかったり、やりやすい環境ではあったのかなと思います

小石
女子選手がいるから入りやすい?

亀谷選手
そうですね。大体お兄ちゃんがいて妹がついてきて、そこで女子選手がいるので「入ってみたら?」と声をかけるというような感じになっていました。

小石
中学ではどのように野球を続けたのですか?

亀谷選手
ウイングスジュニアという女子の軟式のクラブチームに入っていました。小平にあるチームで片道1時間かけて自転車で通っていました。今思うとすごいことしてたなと思います。それで、中学の部活にも入っていました。優先はウイングスで、試合があれば出れる日は中学の部活にいくというような感じでした。

小石
高校進学の経緯を教えてください。

亀谷選手
東京の女子硬式野球部がある高校は駒沢女子と蒲田女子で、共学がよかったので、通える範囲だと埼玉栄か花咲徳栄、それで栄の方がいきやすかったので栄にしました。

小石
高校で女子野球部に入るのは絶対だったのですか?

亀谷選手
そうですね。何も疑問に思わずそう思っていました。女子野球部基準で高校は選んでいたかなと。

小石
投手を始めたのはいつ頃ですか?

亀谷選手
中学校の時からちょっとやっていました。高校では途中まで内野手だったのですが、打球が顔に当たって骨折してから内野ができなくなったというか…ピッチャーをやり始めたきっかけはそこだなと思います。当たった瞬間は大丈夫だと思って2.3日くらい放置していて、「当たったところの感覚がないんだよね」と話してたら「病院に行ったほうがいいよ」と言われ、いざ病院でCTを取るとボールの跡に骨が凹んでいて、手術して直しました。これがピッチャーをちゃんとやり始めたきっかけです。

小石
高校卒業後は?

亀谷選手
普通に受験して東洋大学に入って、そこから野球は侍に入っていました。大学では保育士の勉強をしていて、卒業後は保育士として4年間働いて、今年からは別の仕事をしています。
4年間続けた保育士の仕事から離れ「キレダス」へ転職 仕事も野球に!!


小石
4年間続けた保育士をやめたきっかけはあった?

亀谷選手
前から違う仕事をしてみたいなとは思っていて、たまたまきっかけがあり、仕事でも野球に関わることになりました。

小石
今はどんな仕事をしているのですか?

亀谷選手
キレダスの営業がメインで広報活動もしています。キレダスは投球・送球の課題改善に繋がる器具です。侍にも私が就職する以前に体験としてきていて、私自身もよくなる感覚があったので、チームとして買って使っていました。

小石
その体験会を今は開催する側ということですね?

亀谷選手
チームに体験会みたいな形で行かせてもらっています。キレダスの紹介をさせていただくのはもちろん、選手の課題解決に繋がる仕事です。私は投げるが好きなので、投げることに悩んでいる選手がいたら、直してもらいたい、楽しいと思ってもらいたいと思っています。選手によって合う合わないはあるとは思いますが、キレダスを通して改善するきっかけになればいいなと思って仕事をしています</span。

小石
広報というのは?

亀谷選手
YouTubeを会社でやっているので、投球の課題改善の発信。他にはSNSを動かしたり、ブログを書いたりということを主にしています。

小石
どんなチームを対象に体験会を行っているのですか?

亀谷選手
なんでもというか、少年野球から大人の方まで決まりはないです。小さい子は癖のない時に良い投げ方にしたいと思いますし、大人の方でもうまく投げれない方は多いので、年齢層などは特に絞ってはいないですね。

小石
女子野球チームにもいくことはあるのですか?

亀谷選手
ウイングスと栄と叡明には私が直接連絡をとって行かせてもらいました。隼人も今度行かせてもらえるかもとなっています。

小石
ぜひmegaphoneその様子を取材させていただきたいです!!

亀谷選手
ぜひお願いしたいです!!

小石
来年に向けての意気込みをお願いします。

亀谷選手
まずは去年からずっと言っている120km/hは出したいですね。分かりやすい数字の目標というところで、モチベーションをという感じです。今はまだいっぱい投げているだけの人なので、勝ちに繋がるピッチングを意識して来年はやっていきたいです。

小石
最後に、女子野球界に対する思いをお願いします。

亀谷選手
最近は本当に盛り上がってきていますし、だんだんと当たり前になっていると思います。女子野球選手なんだということが当たり前になっていくことが一番いいのかなというところですかね。
女子野球の名門クラブチーム・侍に所属し、今季は投手として大車輪の活躍であった亀谷さん。本人は「私が女子野球の普及に貢献するなど、大それたことは言えない」と謙遜していましたが、キレダスを通じて子供から大人まで「投げることが楽しくなる」活動をしていたり、ラジオやSNSでの発信活動など、すでに野球・女子野球の普及・発展に貢献していると思います。
選手としても仕事でも野球漬けの日々を送る亀谷選手の来季以降の活躍には目が離せません!!