香港選抜 vs 埼玉栄高校 〜香港選抜チームが来日! コロナ渦を乗り越え復活した国際交流〜
来日した香港選抜チーム

近年の日本の女子野球界は、全国的なチーム数増加やイチローさんとの交流などもあって競技の認知度アップや発展への「波」が来ています。同時に世界の女子野球界に目を向けてみると、2023年は「復活」の年と言えるでしょう。

5月に予定されているアジアカップをはじめ、8月のワールドカップなど、国際的なビッグイベントが控えています。世界一の日本をどこが倒すのか、これまではコロナ渦の影響で対戦機会がありませんでしたが、久々の大会に胸が躍ります。私は2019年のアジアカップをはじめ、他国で女子野球の国際大会を観戦。また、日常的に世界の女子野球情報を調べています。

ちなみに香港選抜チームが埼玉県加須市で試合をしていることはご存じでしょうか?香港といえば今年のアジアカップの開催地。何度も女子野球の国際大会も開いて競技発展に積極的です。その香港チームがなぜ、日本に!?

実はこれまでに何度も来日しているんです!これは関東女子野球連盟の宮野友宣事務局長が香港でコーチをしていたことがきっかけで、日本チームとの国際交流も兼ねて練習試合をしています。今回、来日した香港選抜チームはクラブチーム形式で14歳から40歳まで年齢関係なく、一緒にプレーします。普段、選手には野球とは別に仕事がありますが、医者や銀行員、教師やエンジニアなどその内容にも驚かされます。

今年はGOOD JOBと埼玉栄高校、そしてGOLD GYMと対戦。残念ながら香港選抜チームはすべての試合で負けてしまいました。長年の課題として試合中盤以降、選手の集中力が続かないこと。打球カバーや連携など、特に守備面でのミスが目立ってしまい、ビッグイニング献上しまうことが多いです。

vs 埼玉栄
vs ゴールドジム

その一方で、打撃面で大きな収穫がありました。チームとして長打が増えていることです。今までは弱い打球が多くなかなかヒットが出なかったのですが、今回はうってかわって打球もライナー性のものが多く、選手自身も手ごたえと成長をかみしめている様子でした。

遊撃手のYUEN選手は、
「香港ではコロナ渦でグラウンドが使えない時期もあり、練習機会も限られていたのですが、その間はリモートでトレーニングを続けていました。その後、またグラウンドが使えるようになったときには、小グループで集まったりと工夫していました。この日、日本のチームと対戦してよい経験になったと同時に多くの課題がありました。特に投球と守備を見直したいです。逆に打撃は確実に成長を感じることができました」

たとえ試合に敗れても課題意識をもって次に生かそうと終始、ポジティブな様子の香港選抜チームでした!

埼玉栄高校との試合終了後、香港チームを代表してAU監督と主将のMUI選手が加須市の角田守良市長を表敬訪問。実は角田市長とAU監督は2016年から交流があり、久々の再会を喜びました。その後は加須市が女子野球タウンに選ばれていることや、5人制の手打ち野球「Baseball5」の話、香港女子野球の現状や今後についてなど、加須市と野球話に華を咲かせていました。

途中、対戦した埼玉栄高校の印象について質問がありました。
AU監督は
「規律があって堅実なプレーも多く、とても素晴らしいチームです」

また、MUI選手は
「チームの雰囲気がよかったです。選手たちが常に笑顔でプレーしている姿が印象的でした」

AU監督によると香港では野球専用グラウンドがなく、他競技と場所をシェアしながら練習しているそうです。この状況もあって、今回の試合会場である加須きずなスタジアムを利用できることに満面の笑みを浮かべていたのが印象的です。

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