第2回東西選抜対抗交流戦 大会を終えて

昨年に続き行われた第2回東西選抜対抗交流戦。今年はジャイアンツ球場で行われました。

当日は試合開始2時間前に球場に到着しましたが、すでにたくさんのファンが押しかけており、バックネット裏周辺は満席でした。

1日目第1試合スターティングメンバー

いつもとは違う雰囲気の中で行われた2日間の試合

今回の交流戦の見どころはなんといっても選手たちの楽しそうな雰囲気だったと思います。もちろんお互いに負けられないという気持ちでの真剣勝負ではありましたが、女子プロ野球時代のチームメイト、高校・大学時代の同級生や先輩・後輩、日本代表として共に戦った選手などがおり、所属チーム・東西の垣根を越えて楽しそうに話す選手の姿も見られました。

ベンチに戻る選手を迎える関西選抜の選手たち
関東選抜試合前のベンチの様子

そして、世界一である日本の女子野球の中でもトップレベルの試合が見れるというのが交流戦の最大のポイントであったと思います。2020年開催予定であった第9回の女子野球W杯は再三の延期で開催時期は未定となっており、選手の活躍の場としても、ファンが試合を見れる機会としても国内に限定されてしまっています。

年々レベルが上がっている日本の女子野球ですが、東西の“オールスター”が集結した今回の試合は、シートノックの段階で普段の試合とはレベルの違いを感じ、ワクワク感がありました。

観客がたくさん入った交流戦ですが、まだまだジャイアンツ球場を“超満員”とはなりませんでした。女子野球の魅力は現地で観戦してこそわかるものだと思います。この記事を読んで少しでも女子野球に興味を持った方は一度現地に観戦に行ってみてください!!

試合開始前、サイドノックを受ける関東選抜の選手たち
試合開始前、サイドノックを受ける関西選抜の選手たち

2日間のMVP 平成国際大学・生井美桜(なまいみさき)選手

タイムリー3塁打を放った生井美桜選手(1日目第1試合)

生井選手は3試合に出場し、9打数6安打(2塁打3本・3塁打1本)の大爆発。年上の選手も多い中、関東選抜のキャプテンにも抜擢され、ムードメーカーとしてもチームを盛り上げている様子がスタンドからでも伝わってきました。

関東選抜として共にプレーしたエイジェックのキャプテン・小島也弥選手も「東チームはキャプテンの生井が盛り上げてくれて、すごくいい雰囲気でプレーできたので楽しかったです。」と生井選手の活躍を認めた。

生井選手は「この試合の前までは練習でも全然当たっていなかったのですが、ここにきていきなり打てるようになりました。自チームに帰っても自分が吸収したことをみんなに伝えて、平成国際大学がどんどん強くなっていけるように頑張りたいなと思います。」と話した。

平成国際大学は今夏の大学選手権では準優勝。今季主将を務めた金満梨々那選手は本日、巨人女子チーム1期生として契約することが発表されています。生井選手はその金満選手から捕手のポジションを引き継ぐ存在。生井選手と共に第2回女子野球アジアカップの優勝に貢献した瀧石かの子選手、女子プロ野球退団後に平成国際大学へ編入した久保夏葵選手を筆頭に、大学トップレベルの選手は揃っています。

今回の生井選手の活躍、金満選手の巨人入団をきっかけに、来季の平成国際大学はさらに躍動することとなるのではないでしょうか。また、平成国際大学女子硬式野球部は日々の練習風景など、SNSでの情報発信も頻繁に行っています。

巨人が女子硬式野球チームを新設することを発表

1期生としての入団が発表された金満梨々那選手(平成国際大学)

参考記事:スポーツ報知 【巨人】女子野球チーム新設!23年ヴィーナスリーグ参加へ 甲子園V右腕ら1期生4選手と契約

巨人女子チームは再来年2023年からのヴィーナスリーグ参戦を目指している。ヴィーナスリーグは読売巨人軍や報知新聞社などが後援しているため、巨人の参入により更なる盛り上がりが期待されます。

今回の大会には巨人の球団社長付アドバイザーを務める宮本和知氏が昨年に続いて訪れており、関東軍ブルペンで投手陣と話している様子も窺えました。

選手ポジション出身校
島野 愛友利投手神戸弘陵高校
吉安 清投手至学館高校
金満 梨々那捕手平成国際大学
山下 陽夏外野手大阪体育大学
巨人女子チーム1期生

1勝1敗2分で5分の結果に!! 選手交流の場が増加することで更なる発展を!!

マウンドに集まる田中露朝投手、川端友紀選手、岩見香枝選手

試合は2日間を通して1勝1敗2分と5分の結果に。“女子野球版オールスター”のような雰囲気もありつつ、東西それぞれが負けられないという思いのもと、実力が拮抗した好ゲームが繰り広げられました

女子野球は関東のヴィーナスリーグ、関西のラッキーリーグの他に、今季より中部地方で行われるセンターリーグや北海道でも新たにリーグ戦が行われています。

今後この様な交流戦が毎年恒例のイベントとなり、中部選抜、北海道選抜、あるいは東北選抜や中四国選抜など、全国各地の選抜チームで試合を行える日もそう遠くはないように思えます。トップレベルの女子野球が見れることでファンが増えることはもちろん、女子選手同士の交流や情報・意見交換の場が増えることが女子野球普及・発展に必要不可欠であると思います

昨年は和歌山県、今年はジャイアンツ球場で開催された東西選抜対抗交流戦。来年の開催地や参加選手・参加連盟が今から楽しみです!!拡がれ女子野球!!

2日間の試合結果はこちら↓

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