第24回全国高等学校女子硬式野球選抜大会 大会6日目

3月23日に開幕した第24回全国高等学校女子硬式野球選抜大会。3月30日に行われた大会6日目の総括です。

【3月30日】試合結果

きずな①横浜隼人6-0神戸弘陵学園
きずな②履正社1-2
(延長10回)
花巻東

準決勝第1試合:横浜隼人 vs 神戸弘陵学園

第1試合では昨秋のユース大会覇者・神戸弘陵と昨夏の選手権大会覇者・横浜隼人との一戦。試合は初回、神戸弘陵の2番・堀みずほが三塁打で出塁すると、昨年の東京ドームでの一戦を経験する主将の三村歩生がワンバウンドのボールに食らいつき、スクイズを成功。先制点を奪った神戸弘陵はその後も2回に2点、4回に2点、5回に1点と順調に得点を重ね、試合の主導権を握り続ける。

リードを6点に拡げた神戸弘陵は6回から今大会初登板の新2年生右腕・岡田未来にスイッチ。岡田は110キロ台後半の直球を投げ込み、横浜隼人の上位打線を3人で抑える。さらに7回には同じく今大会初登板の新2年生右腕・坂井歩夢が登板。坂井はピンチこそ作るも、豪快なフォームからMAX121キロの直球で2奪三振無失点。初登板の2投手について、「ブルペンでもずっと調子が良く、どこかで投げさせたいと思っていたので信じて送り出しました。」と石原康司監督。監督の期待に応えた両投手が準決勝を締め、チームを東京ドームへの決勝戦へ導いた。

神戸弘陵の2番手・岡田未来投手

神戸弘陵の3番手・坂井歩夢投手

一方の横浜隼人は2回戦、3回戦を終盤の逆転劇で勝ち上がり、この日も最終回に連打やバントヒットで満塁のチャンスを作り、ベンチ内外の選手、OG、保護者などが一体となって反撃ムードを作り上げるもあと一歩及ばず。

「(大会を通して、)最後の粘り強さは成長したと思います。夏は『先輩たちのように甲子園にいきたい』という気持ちが本人たちも強くなると思うので、その時に今日の試合が教訓になるのかなと。このレベルで野球ができないと甲子園どころではないというのが見えたと思うので、今のチームに必要なことを洗い出してまたやっていきます。」と田村知佳監督。決勝進出は叶わなかったものの、夏の選手権大会での再躍進に期待したい。

準決勝第2試合:履正社 vs 花巻東

サヨナラ打を放った花巻東・佐々木秋羽選手(写真は初回安打時撮影)

延長10回タイブレーク、3時間を超える激戦となった準決勝第2試合は花巻東がサヨナラで勝利。東京ドームでの決勝戦への切符を手にした。

9回1失点の好投でチームを決勝戦へ導いた花巻東の先発・関口瑞生投手

花巻東・関口瑞生、履正社・堀明日香の先発で始まったこの試合。それぞれ3回と4回に1点ずつを失うも、その後は投手戦となり試合は1-1のまま延長戦の攻防へ突入する。先に勝ち越しのチャンスを作ったのは花巻東。5回から登板していた履正社の2番手・二井内桜を無死から捉え、バントヒットを含む三連打で無死満塁の絶好期を作る。

一打サヨナラのピンチを迎えた履正社はここで今大会抑え投手としての役割を担う西本夢生が登板。西本は絶体絶命の状況の中での登板となったが、持ち味の力強い直球を投げ込み、1人目の打者を二直併殺に打ち取ると、敬遠の後に続く打者をショートゴロに打ち取り無失点。3番打者としても出場する二刀流の新2年生右腕がチームのピンチを救う。

その後、両チームともに9回の攻撃で得点をあげることはできず、試合はタイブレークに突入(※大会ルールにより、準決勝・決勝は10回よりタイブレーク制を導入)。先攻の履正社高校は無死一二塁のチャンスで相手のバントシフトの隙をつき、ダブルスチールを決行。これが見事成功し、無死二三塁にチャンスを拡げる。しかし、このピンチに10回頭から登板していた花巻東の2番手・菅澤陽向がその後の打者を3者連続で打ち取り無失点。履正社打線も積極的なスイングで打球を外野まで運ぶも、菅澤の球威が勝り犠牲フライにはならなかった。

1点でも取ればサヨナラ勝ちとなる花巻東は送りバントと四球で一死満塁とすると、迎えた打者はこの日3安打と好調の2番・佐々木秋羽。「手足に力が入らないくらい緊迫した状況でしたが、それがいい感じに力が抜けました。」と語る佐々木が放った打球は投手の股を抜けセンター前に(公式記録は投手エラー)。三塁走者が生還し、延長10回に及ぶ激戦の幕切れとなった。

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