2023年女子硬式野球展望

2023年の女子野球で大きな注目を集める話題としては読売ジャイアンツの参入。2021年末にチーム創設を発表したジャイアンツは昨年末に新入団選手を発表し、総勢20名の選手で2023年シーズンから大会へ出場していきます。NPBの名を冠した女子チームは西武・阪神に続いて3球団目となります。

ジャイアンツはイチロー氏と対戦した高校女子野球選抜にも選出された高校生7名が入団。高卒ルーキー中心となり、最年長も清水美佑・田中美羽の1998年生まれ世代と極めて若いチームとなりました。日本代表経験も豊富な清水・田中の両選手がチームを牽引し、ルーキー選手たちが社会人と野球の両立という環境に適応することが、ジャイアンツが1年目から躍動するためのポイントとなりそうです。

一方でNPB公認チームのパイオニアであり4年目のシーズンを迎える埼玉西武LLは今シーズンで11名の選手が退団を発表も女子野球を草創期から支えるベテラン選手はまだまだ健在。女子野球W杯3大会連続MVPの里綾実を筆頭に日本代表メンバーにも5名が選出されています。ここ数年で一気に盛り上がりを見せ、若い世代の台頭も目立つ女子野球界でベテラン選手がどのような戦いぶりを見せるかに注目です。

阪神タイガースWomen創部2年目の昨年に全日本クラブ選手権を制覇。昨年優勝メンバーから4名が退団も新たに7名の選手の入団を発表。クラブ選手権の連覇、全日本選手権の初制覇に向け、若手からベテランまでバランスよく揃う磐石の体制が整っています。

バランス良く戦力が整った阪神、勢いのある若手選手中心の巨人、女子野球界を牽引してきたベテランが揃う西武、NPB公認チームの三つ巴の戦いに2023年シーズンは注目が集まります。

国際大会に目を向けると、今年5月には2019年の第2回アジア杯以来の国際大会となる第3回アジア杯が開催されることが発表されています。日本代表はアジア杯には初めてトップチームでの参戦(過去2大会はU18で参加)。4年ぶりとなる国際大会で女子野球を普段は見ない層からも注目を集めることに期待です。

【女子野球国際大会予定】
2023年5月 アジア杯(香港)
2023年8月 W杯1次R
2024年夏 W杯決勝R(カナダ)

チーム別
埼玉西武ライオンズ・レディース
阪神タイガースWomen
5名
東海NEXUS
九州ハニーズ
3名
東近江バイオレッツ
淡路BRAVEOCEANS
読売ジャイアンツ
大阪体育大学
2名
ZENKO BEAMS
はつかいちサンブレイズ
1名

今年3月にはWBCが6年ぶりに開催。大谷翔平選手や各国のメジャーリーガーの参加表明など、開催前から注目を集め、大会通して日本国内でも大きな注目を集めることが期待されます。その2ヶ月後には女子野球アジア杯、さらに3ヶ月後には女子野球W杯が開催されます。WBCの勢いに乗って女子野球の国際大会にも注目が集まることに期待です。また、昨年末に行われたサッカーW杯では全試合をABEMAが生中継した様に、地上波以外でも何らかの形でアジア杯やW杯の中継があるのかも気になるところです。

またW杯の1次Rが8月に開催されることにより、2022年シーズンと同様の日程で他大会が行われた場合、中学全国大会、高校選手権大会(決勝戦)、高校ユース大会、大学選手権大会、クラブ選手権大会、女子野球W杯と6つの大会が8月に一気に開催される見込みとなります。大会日程の見直し等が行われる可能性はありますが、2023年8月は女子硬式野球への注目が一気に集まる月間となることが期待されます。

コロナ禍で国内外で大会が中止になることも多かった期間もありましたが、その間に各カテゴリー・各地域で女子野球の波は拡がり、2023年シーズンはまた新たな形での女子野球を見ることができそうです。今シーズンも女子野球から目が離せません!!

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