第26回全国高等学校女子硬式野球選手権大会 投手ランキング

昨年に引き続き甲子園で決勝戦が開催され、横浜隼人高校の優勝で幕を閉じた第26回全国高等学校女子硬式野球選手権大会。決勝戦の延長10回タイブレークや準決勝2試合の延長戦、1回戦以外の全試合を逆転勝利で優勝まで勝ち上がった横浜隼人など、記憶に残る大会となった今大会を『記録』で振り返ります

第一弾は投手成績編。本記事では、最多勝・最優秀防御率・WHIP・K/7・BB/7・K/BBの投手6部門を集計しました

準決勝進出の4チームを対象とし、10イニング以上投球している投手を対象としました。

※本記事上の記録はmegaphone独自の集計です。

最多勝

順位選手名所属チーム学年登板勝利
1五十嵐 千紘横浜隼人3年44
2水口 樹乃開志学園2年32
2漢人 茉彩京都両洋3年32
2本橋 未菜横浜隼人3年42

※先発・救援の区別無くチームが最終的な勝ち越し点を挙げた当時に投球していた投手を勝利投手とする方法を採用しています(NPBオープン戦・オールスターゲームと同様の方法)。

最多勝は横浜隼人の五十嵐千紘投手。五十嵐投手は救援での登板機会も2回あり、どちらも逆転勝利に繋がるピッチングでチームの優勝に貢献しています。全6試合中5試合を逆転勝利で優勝した横浜隼人の戦いを象徴するような結果となりました。

最優秀防御率

順位選手名所属チーム学年回数自責防御率
1水口 樹乃開志学園2年1800.00
1漢人 茉彩京都両洋3年1200.00
3渡邉 未来京都両洋3年1210.58
4桒澤 明里岐阜第一1年1941.47
5本橋 未菜横浜隼人3年2761.56

防御率は開志学園の水口樹乃投手、京都両洋の漢人茉彩投手が0.00で同率の1位に。5投手が1点台までに収めており、決勝戦の延長10回に及ぶ戦いや準決勝2試合が延長8回までもつれたことが頷ける成績となりました。

WHIP

順位選手名所属チーム学年防御率WHIP
1渡邉 未来京都両洋3年0.580.42
2水口 樹乃開志学園2年0.000.50
3漢人 茉彩京都両洋3年0.000.75
4本橋 未菜横浜隼人3年1.560.89
5五十嵐 千紘横浜隼人3年2.581.00

1イニングあたりに出したランナーを表すWHIPは京都両洋のエース・渡邉未来が0.42で1位に。1.0を下回ると非常に優秀とされているこの指標で今大会は5投手が1以下の成績を収めています。

選手名年度WHIP
ダルビッシュ 有20110.83
山本 由伸20210.85
菅野 智之20170.85
大野 雄大20200.87
田中 将大20110.87
参考:近年のNPBで優秀なWHIPを記録した主な投手

K/7

順位選手名所属チーム学年回数奪三振K/7
1水口 樹乃開志学園2年18197.39
2桒澤 明里岐阜第一1年19134.79
3漢人 茉彩京都両洋3年1274.08
4小西 咲里開志学園2年1352.69

一試合(7イニング)あたりにいくつの三振を奪えるかを表すK/7は、2位以下に大差をつけた開志学園の水口投手が1位に。7.39という数字は単純計算で毎イニング1つ以上の三振を奪う計算。比較的三振の少ない女子野球界において、この成績は驚異的な記録です。

BB/7

順位選手名所属チーム学年回数四球BB/7
1本橋 未菜横浜隼人3年2720.52
2小西 咲里開志学園2年1310.54
3渡邉 未来京都両洋3年1210.58
4五十嵐 千紘横浜隼人3年1920.74

一試合(7イニング)あたりにいくつの四球を与えるかを表すBB/7、1位は優勝の横浜隼人のエース・本橋未菜投手。BB/7は合計4投手が1を下回るという結果に。この4投手は完投しても1つの四球を出すか出さないかという成績です。投手戦になることが多く、防御率やWHIPで優秀な成績を収める投手が多かった要因はこの数値にあるのではないでしょうか。

K/BB

順位選手名所属チーム学年K/7BB/7K/BB
1水口 樹乃開志学園2年7.391.176.33
2小西 咲里開志学園2年2.690.545.00
3漢人 茉彩京都両洋3年4.081.173.50
4本橋 未菜横浜隼人3年1.560.523.00
5渡邉 未来京都両洋3年1.750.583.00

三振と四球の比率を表すK/BBは開志学園の2投手が3位以下を突き放す好成績を収めています。三振と四球は野手の影響を受けないプレーのため、純粋に投手の能力を測ることができます。開志学園の両投手は共に2年生。左右2枚の好投手を擁する開志学園は秋のユース大会以降も上位の成績を収めていくことが予想されます。

投手ランキング、いかがでしたでしょうか?

決勝・準決勝の延長戦を筆頭に投手戦が多く、感覚的にも投手の活躍が印象に残った大会でしたが、数値化することで改めて各チームの投手力の高さを認識することとなりました

次回は打者成績を紹介していきます。お楽しみに!!

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