
昨年に引き続き甲子園で決勝戦が開催され、横浜隼人高校の優勝で幕を閉じた第26回全国高等学校女子硬式野球選手権大会。決勝戦の延長10回タイブレークや準決勝2試合の延長戦、1回戦以外の全試合を逆転勝利で優勝まで勝ち上がった横浜隼人など、記憶に残る大会となった今大会を『記録』で振り返ります。

第三弾はチーム記録編。準決勝進出の4チームを対象とし、各チームがどの様な戦いをしてきたのかを数値の面から分析していきます。
※本記事上の記録はmegaphone独自の集計です。
Contents
チーム打撃記録
チーム名 | 試合 | 打席 | 打数 | 安打 | 打点 | 塁打 | 盗塁 | 四球 | 死球 | 三振 |
横浜隼人 | 6 | 201 | 170 | 48 | 23 | 61 | 16 | 7 | 4 | 20 |
開志学園 | 5 | 156 | 130 | 33 | 18 | 37 | 5 | 7 | 5 | 14 |
岐阜第一 | 5 | 156 | 134 | 46 | 17 | 53 | 14 | 9 | 7 | 18 |
京都両洋 | 4 | 113 | 94 | 30 | 13 | 41 | 5 | 3 | 2 | 6 |
まずは基本的な打撃記録から。一覧で見た時にまず目に付く点として、盗塁数の差があります。個人記録でも盗塁数上位は横浜隼人と岐阜第一の選手が独占していましたが、チーム単位でみると準決勝進出の4チームで盗塁ははっきりとチームカラーとして差が出ています。
次に目立つ点としては京都両洋の三振と四球の少なさ。どちらも他3チームに対して極端に少ない結果となっています。この結果からは打席内での積極性が窺えます。さて、この部分の差は打率や長打力にどの様な影響を与えているのでしょうか。次項で詳しく見ていきます。
チーム打撃各指標
チーム名 | 打率 | 長打率 | 出塁率 | OPS |
横浜隼人 | .282 | .359 | .326 | .685 |
開志学園 | .254 | .285 | .317 | .602 |
岐阜第一 | .343 | .396 | .413 | .809 |
京都両洋 | .319 | .436 | .354 | .790 |
各チームの打率・長打率・出塁率・OPSがこちら。OPSを見た時、準決勝で敗れた2チームがどちらもおよそ.800と決勝進出の2チームよりも好成績を残しています。しかし、その内訳を見ると、岐阜第一は出塁率が高く、京都両洋は長打率が高いという様な2チームの違いが浮かび上がってきます。
ここで、前項の京都両洋の三振と四球の少なさと結びつけて考えると、早いカウントから積極的に振っていく京都両洋は長打率に優れたチームとなり、比較的球数を多く投げさせた岐阜第一は出塁率に優れたチームとなったと考えられます。
実際、投球数や打撃時のカウントなどを細かく集計はできていませんが、このような推測をすることはできます。
学年別打席数
チーム名 | 3年 | 割合 | 2年 | 割合 | 1年 | 割合 |
横浜隼人 | 119 | 59% | 65 | 32% | 17 | 8% |
開志学園 | 71 | 46% | 84 | 54% | 1 | 1% |
岐阜第一 | 71 | 46% | 51 | 33% | 34 | 22% |
京都両洋 | 100 | 88% | 13 | 12% | 0 | 0% |
続いて、各チームの学年別の打席数の比較データがこちら。横浜隼人・京都両洋は3年生中心で、開志学園・岐阜第一は下級生中心で戦っていたことが分かります。岐阜第一は4チーム中トップのOPSを誇った強力打線。その打席の半数以上を下級生が担っていたと考えると、秋以降のチームの躍進には期待がかかります。
チーム打撃記録編、いかがでしたでしょうか?
個人記録の上位にランクインする選手の面々からもチームカラーは推測できますが、チーム単位で集計することで、そのチームの戦術が見えてくることもあります。
次回はチーム投手記録を紹介していきます。お楽しみに!!