
今年会場を成田市・佐倉市に移し、8月に開催となった第17回全日本女子硬式クラブ野球選手権大会。再三の雨天中断・延期がありながらも全日程を消化し、阪神タイガースWomenの初優勝で幕を閉じました。絶体絶命の場面での同点打や逆転打など、印象的なプレーも多かった今大会を記録で振り返ります。

第四弾はチーム投手記録編。10月の全日本選手権出場枠を獲得した8チームを対象とし、各チームがどの様な戦いをしてきたのかを数値の面から分析していきます。
※本記事上の記録はmegaphone独自の集計です。
Contents
チーム投手記録
チーム名 | 試合 | 回数 | 打者 | 安打 | 奪三振 | 失点 | 自責 | 四球 | 死球 | |
阪神タイガースW | 優勝 | 6 | 38 | 148 | 21 | 20 | 7 | 7 | 13 | 3 |
九州ハニーズ | 準優勝 | 5 | 31 | 131 | 20 | 7 | 11 | 9 | 18 | 2 |
ZENKO BEAMS | 3位 | 4 | 29 | 117 | 23 | 12 | 11 | 9 | 3 | 5 |
埼玉西武LL | 3位 | 3 | 21 | 87 | 16 | 5 | 10 | 10 | 7 | 2 |
エイジェック | ベスト8 | 3 | 18 | 70 | 11 | 13 | 4 | 3 | 6 | 1 |
京都文教大学 | ベスト8 | 3 | 18 | 80 | 15 | 7 | 9 | 9 | 12 | 1 |
淡路BRAVEOCEANS | ベスト8 | 3 | 17 | 63 | 6 | 5 | 1 | 1 | 4 | 4 |
ゴールドジム | ベスト8 | 3 | 18 | 68 | 14 | 4 | 3 | 3 | 1 | 1 |
基本的な成績がこちら。優勝の阪神は最多の6試合を戦いながらも、準決勝進出の4チームの中では最少の7失点。1試合あたり1.2失点と、計7投手が登板した投手陣の安定が際立ちます。

準々決勝で九州ハニーズに敗れた淡路BRAVEOCEANSは3試合でわずか1失点。12回2/3を無失点に抑えたエース・古谷恵菜を中心に全日本選手権でも高い投手力が期待されます。
1試合あたりの投手記録
チーム名 | 結果 | 試合 | 回数 | 打者 | 安打 | 奪三振 | 失点 | 自責 | 四球 | 死球 |
阪神タイガースW | 優勝 | 6 | 6.3 | 24.7 | 3.5 | 3.3 | 1.2 | 1.2 | 2.2 | 0.5 |
九州ハニーズ | 準優勝 | 5 | 6.2 | 26.2 | 4.0 | 1.4 | 2.2 | 1.8 | 3.6 | 0.4 |
ZENKO BEAMS | 3位 | 4 | 7.3 | 29.3 | 5.8 | 3.0 | 2.8 | 2.3 | 0.8 | 1.3 |
埼玉西武LL | 3位 | 3 | 7.0 | 29.0 | 5.3 | 1.7 | 3.3 | 3.3 | 2.3 | 0.7 |
エイジェック | ベスト8 | 3 | 6.1 | 23.3 | 3.7 | 4.3 | 1.3 | 1.0 | 2.0 | 0.3 |
京都文教大学 | ベスト8 | 3 | 6.0 | 26.7 | 5.0 | 2.3 | 3.0 | 3.0 | 4.0 | 0.3 |
淡路BRAVEOCEANS | ベスト8 | 3 | 5.7 | 21.0 | 2.0 | 1.7 | 0.3 | 0.3 | 1.3 | 1.3 |
ゴールドジム | ベスト8 | 3 | 6.0 | 22.7 | 4.7 | 1.3 | 1.0 | 1.0 | 0.3 | 0.3 |
各チームの1試合あたりの記録がこちら。エイジェックは1試合あたり4.3奪三振と他チームを大きく離す成績を記録。昨年の優勝にも大きく貢献した小野寺佳奈投手は今大会でも8回1/3を投げ10奪三振。初戦のWELFARE戦では3者連続、3回戦の東近江戦では5者連続三振を奪うなど、今年も圧巻の投球を披露しています。
チーム投手各指標
チーム名 | 試合 | 防御率 | WHIP | K/7 | BB/7 | K/BB | |
阪神タイガースW | 優勝 | 6 | 1.29 | 0.89 | 3.68 | 2.39 | 1.54 |
九州ハニーズ | 準優勝 | 5 | 2.03 | 1.23 | 1.58 | 4.06 | 0.39 |
ZENKO BEAMS | 3位 | 4 | 2.17 | 0.90 | 2.90 | 0.72 | 4.00 |
埼玉西武LL | 3位 | 3 | 3.33 | 1.10 | 1.67 | 2.33 | 0.71 |
エイジェック | ベスト8 | 3 | 1.15 | 0.93 | 4.96 | 2.29 | 2.17 |
京都文教大学 | ベスト8 | 3 | 3.50 | 1.50 | 2.72 | 4.67 | 0.58 |
淡路BRAVEOCEANS | ベスト8 | 3 | 0.41 | 0.59 | 2.06 | 1.65 | 1.25 |
ゴールドジム | ベスト8 | 3 | 1.17 | 0.83 | 1.56 | 0.39 | 4.00 |
上記データから算出した各指標がこちら。防御率を見ると淡路BOが0点代、エイジェック・ゴールドジム・阪神TWが1点代とそれぞれ優秀な成績を収めています。
純粋な投手能力を測る指標のひとつであるK/BBを見ると、ZENKO BEAMS・ゴールドジムが4.00で最も高い成績を記録しています。ZENKO BEAMSは日本代表の田中露朝、高卒2年目の左腕・泰美勝がと奪三振能力の高い両投手を中心に戦い、3回戦では安武真保が7回途中まで無四球1失点の好投を披露し、チーム全体としても高いK/BBとなりました。
ゴールドジムは準々決勝を無四球完投の玉城彩音を中心に3試合で1四球と安定した制球力を見せ、3回戦で登板したジャイアンツからの助っ人・島野愛友利が3者連続三振を奪うピッチングを披露。チーム打者記録でも優秀な結果を残したゴールドジムは投手力でも好成績を収めていました。

チーム投手記録編、いかがでしたでしょうか?
対戦相手が全く異なるトーナメントでの成績なので、本来の実力が反映されているわけではありませんが、優勝の阪神に匹敵する成績や阪神以上の成績を残しているチームもありました。合計7投手が登板し、圧倒的な投手層で優勝した阪神に対し、各チームは全日本選手権ではどの様な戦いをしていくのか、見どころになっていくと思われます。
全4編でクラブ選手権の『記録』を振り返った本企画。現地観戦での空気感を楽しむことも女子野球の魅力ですが、数値・成績からも女子野球・女子野球選手の魅力は見えてきます。megaphoneでは引き続き、女子野球の成績や記録をまとめていきたいと思います。