第17回全日本女子硬式クラブ野球選手権大会『個人投手成績』

今年会場を成田市・佐倉市に移し、8月に開催となった第17回全日本女子硬式クラブ野球選手権大会。再三の雨天中断・延期がありながらも全日程を消化し、阪神タイガースWomenの初優勝で幕を閉じました。絶体絶命の場面での同点打や逆転打など、印象的なプレーも多かった今大会を記録で振り返ります

第二弾は投手成績編。本記事では、最多勝・最優秀防御率・WHIP・K/7・BB/7・K/BBの投手6部門を集計しました

準決勝進出の4チームを対象とし、10イニング以上投球している投手を対象としました。

※本記事上の記録はmegaphone独自の集計です。

最多勝

選手名所属チームイニング勝利
1百田 陽菜九州ハニーズ18.73
2石村 奈々阪神タイガースW132
2水流 麻夏阪神タイガースW82
2里 綾実埼玉西武LL82

※先発・救援の区別無くチームが最終的な勝ち越し点を挙げた当時に投球していた投手を勝利投手とする方法を採用しています(NPBオープン戦・オールスターゲームと同様の方法)。

最多勝は3勝をあげた九州ハニーズ・百田陽菜投手。百田投手は高卒一年目のルーキーながら4試合に先発し、2つの完投勝利を記録しています。2位は阪神の2投手、西武の里綾実投手が2勝をあげています。

最優秀防御率

選手名所属チームイニング防御率
1石村 奈々阪神タイガースW130.00
2楢岡 美和九州ハニーズ11.30.62
3泰 美勝ZENKO BEAMS111.27
4植村 美奈子阪神タイガースW102.10
5百田 陽菜九州ハニーズ18.72.63
参考水流 麻夏阪神タイガースW80.00
参考安武 真保ZENKO BEAMS61.17

最優秀防御率は13イニングを無失点に抑えた石村奈々投手。石村投手は準々決勝の京都文教大学戦で完全試合を達成しています。9イニング以下では同じく阪神の水流麻夏投手が8イニングで無失点、防御率0.00を記録しています。阪神は合計7投手が登板し、38イニングで7失点、防御率1.29と投手力の高さが際立ちました。

WHIP

選手名所属チーム回数防御率WHIP
1石村 奈々阪神タイガースW130.000.38
2泰 美勝ZENKO BEAMS111.270.91
3田中 露朝ZENKO BEAMS123.501.08
4楢岡 美和九州ハニーズ11.30.621.15
5百田 陽菜九州ハニーズ18.72.631.18
参考里 綾実埼玉西武LL81.750.38
参考安武 真保ZENKO BEAMS61.170.50

1イニングあたりに許した出塁を表すWHIPは防御率に引き続き石村奈々投手が1位に。また、8イニングと投球回は少ないものの、西武の里綾実投手も石村投手と同じ0.38を記録。緊迫した場面での登板やロングリリーフなど様々な役割をこなした今大会でしたが、投球の安定感は抜群でした。

K/7

選手名所属チームイニング奪三振K/7
1石村 奈々阪神タイガースW13105.38
2泰 美勝ZENKO BEAMS1163.82
3田中 露朝ZENKO BEAMS1252.92
4百田 陽菜九州ハニーズ18.762.25
5植村 美奈子阪神タイガースW1032.10

1試合(7イニング)当たりいくつの三振を奪うかを表すK/7は5.38を記録した石村奈々投手が1位に。石村投手は完全試合を達成した京都文教大学戦でも6つの奪三振を記録。2位にはZENKO BEAMSの泰美勝投手がランクイン。昨年のクラブ選手権でも高卒1年目ながら防御率0.70の活躍をした泰投手は今年さらにパワーアップ。本人も「緊張はしない」という強気のピッチングで好成績を残しています。

BB/7

選手名所属チーム回数四球BB/7
1田中 露朝ZENKO BEAMS1210.58
2石村 奈々阪神タイガースW1321.08
3泰 美勝ZENKO BEAMS1121.27
4百田 陽菜九州ハニーズ18.783.00
参考里 綾実埼玉西武LL800.00
参考安武 真保ZENKO BEAMS600.00
参考水流 麻夏阪神タイガースW810.88

1試合(7イニング)当たりいくつの四球を与えるかを表すBB/7はZENKO BEAMSの田中露朝投手が大差で1位に。田中投手は初戦こそ苦戦したものの準々決勝のゴールドジム戦では「本調子ではなかったけど、悪いなりにうまく投げることができた」と無四球完封勝利。9イニング以下では西武・里綾実投手とZENKO・安武真保投手はそれぞれ無四球で0.00を記録しています。

K/BB

選手名所属チーム回数K/7BB/7K/BB
1石村 奈々阪神タイガースW135.381.085.00
1田中 露朝ZENKO BEAMS122.920.585.00
3泰 美勝ZENKO BEAMS113.821.273.00
参考里 綾実埼玉西武LL82.630.00
参考安武 真保ZENKO BEAMS61.170.00
参考水流 麻夏阪神タイガースW82.630.883.00

三振と四球の比率を表すK/BBはK/7で1位の石村奈々投手とBB/7で1位の田中露朝投手が5.00で1位に。三振と四球は野手の影響を受けないプレーのため、純粋に投手の能力を測ることができます。

投手ランキング、いかがでしたでしょうか?

完全試合達成の石村奈々投手をはじめ、阪神は合計7投手が登板し、4日間で6試合という過密日程を戦い抜きました。立て続けに好投手が登板する阪神のチーム全体としての投手力を感じた大会でしたが、個別でみても各部門で非常に優秀な成績を残していました。

次回はチーム全体の記録を集計して紹介していきます。お楽しみに!!

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