
今年会場を成田市・佐倉市に移し、8月に開催となった第17回全日本女子硬式クラブ野球選手権大会。再三の雨天中断・延期がありながらも全日程を消化し、阪神タイガースWomenの初優勝で幕を閉じました。絶体絶命の場面での同点打や逆転打など、印象的なプレーも多かった今大会を記録で振り返ります。

第一弾は打者成績編。本記事では、打率・打点・盗塁・長打率・出塁率・OPSの打者6部門を集計しました。
準決勝進出の4チームを対象とし、10打席以上出場している選手を対象としました。
※本記事上の記録はmegaphone独自の集計です。
打率

選手名 | 所属チーム | 打数 | 安打 | 打率 | |
1 | 山本 悠未 | ZENKO BEAMS | 13 | 8 | .615 |
2 | 前田 桜茄 | 阪神タイガースW | 18 | 9 | .500 |
2 | 三浦 伊織 | 阪神タイガースW | 18 | 9 | .500 |
2 | 中江 映利加 | 阪神タイガースW | 12 | 6 | .500 |
5 | 英 菜々子 | 埼玉西武LL | 9 | 4 | .444 |
6 | 田中 亜里沙 | 阪神タイガースW | 16 | 7 | .438 |
7 | 蜜浦 さくら | 阪神タイガースW | 15 | 6 | .400 |
首位打者はZENKO BEAMSの山本悠未選手。山本選手は全試合で安打を放ち、13打数8安打、打率.615の活躍。7番打者としての出場ながら、初戦の逆転劇を初め、チームの準決勝進出に大きく貢献しています。チーム別に見ると、阪神タイガースWomenが4割越えの選手を5名抱えているなど、6試合合計38得点の強力打線が数値の面にも現れています。
打点

選手名 | 所属チーム | 安打 | 打点 | |
1 | 三浦 伊織 | 阪神タイガースW | 9 | 10 |
2 | 楢岡 美和 | 九州ハニーズ | 4 | 7 |
3 | 坂口 英里 | ZENKO BEAMS | 5 | 5 |
3 | 田中 亜里沙 | 阪神タイガースW | 7 | 5 |
5 | 前田 桜茄 | 阪神タイガースW | 9 | 4 |
5 | 浅野 桜子 | 阪神タイガースW | 4 | 4 |
5 | 蜜浦 さくら | 阪神タイガースW | 6 | 4 |
最多打点は阪神タイガースWomenの三浦伊織選手。三浦選手は決勝戦でも1.2打席目で連続打点をあげる活躍で主将としてチームを優勝に導いています。2位の九州ハニーズ・楢岡美和選手は全試合4番で出場し、投手もこなしながら勝負強い打撃で7打点を記録。昨年の打点王・坂口英里選手は今大会も勝負強さを発揮し、3位にランクインしています。
盗塁

選手名 | 所属チーム | 打席 | 盗塁 | |
1 | 前田 葵 | 阪神タイガースW | 16 | 5 |
1 | 小島 也弥 | 九州ハニーズ | 19 | 5 |
3 | 中江 映利加 | 阪神タイガースW | 18 | 4 |
3 | 前田 桜茄 | 阪神タイガースW | 23 | 4 |
5 | 三浦 伊織 | 阪神タイガースW | 21 | 3 |
最多盗塁は5盗塁を記録した阪神タイガースWomenの前田葵選手と九州ハニーズの小島也弥選手。小島選手は昨年のクラブ選手権でも最多の7盗塁を記録しています。打率部門に続き、ここでも阪神の選手が上位を独占する結果に。阪神打線がいかに隙のない攻撃をしていたのかが窺えます。

長打率

選手名 | 所属チーム | 打数 | 安打 | 塁打 | 長打率 | |
1 | 前田 桜茄 | 阪神タイガースW | 18 | 9 | 14 | .778 |
2 | 山本 悠未 | ZENKO BEAMS | 13 | 8 | 10 | .769 |
3 | 三浦 伊織 | 阪神タイガースW | 18 | 9 | 12 | .667 |
4 | 蜜浦 さくら | 阪神タイガースW | 15 | 6 | 9 | .600 |
5 | 田中 亜里沙 | 阪神タイガースW | 16 | 7 | 9 | .563 |
6 | 河野 朱加里 | ZENKO BEAMS | 9 | 3 | 5 | .556 |
7 | 清水 優花 | 埼玉西武LL | 9 | 3 | 5 | .556 |
8 | 楢岡 美和 | 九州ハニーズ | 11 | 4 | 6 | .545 |
9 | 坂口 英里 | ZENKO BEAMS | 13 | 5 | 7 | .538 |
10 | 緒方 佑華 | 九州ハニーズ | 14 | 5 | 7 | .500 |
長打率は大会MVP・阪神タイガースWomenの前田桜茄選手が僅差で1位に。前田選手は決勝戦の2打席連続二塁打をはじめ、9安打で14塁打と長打を量産。強力阪神打線を牽引する1番打者として、MVP受賞に文句のつけようがない成績を残しています。
出塁率

選手名 | 所属チーム | 打率 | 出塁率 | |
1 | 山本 悠未 | ZENKO BEAMS | .615 | .643 |
2 | 中江 映利加 | 阪神タイガースW | .500 | .625 |
3 | 前田 桜茄 | 阪神タイガースW | .500 | .609 |
4 | 河野 朱加里 | ZENKO BEAMS | .333 | .538 |
5 | 楢岡 美和 | 九州ハニーズ | .364 | .533 |
5 | 内永 芽依 | ZENKO BEAMS | .300 | .533 |
7 | 三浦 伊織 | 阪神タイガースW | .500 | .526 |
出塁率は打率に引き続き、ZENKO BEAMSの山本悠未選手が1位に。出塁率部門ではZENKO BEAMSの1番・内永芽依選手、3番・河野朱加里選手が打率は3割代ながら高出塁率を記録し上位にランクイン。両選手は初戦のタイブレークでも四球を選び大量得点に貢献しています。
OPS

選手名 | 所属チーム | 打率 | 長打率 | 出塁率 | OPS | |
1 | 山本 悠未 | ZENKO BEAMS | .615 | .769 | .643 | 1.412 |
2 | 前田 桜茄 | 阪神タイガースW | .500 | .778 | .609 | 1.386 |
3 | 三浦 伊織 | 阪神タイガースW | .500 | .667 | .526 | 1.193 |
4 | 河野 朱加里 | ZENKO BEAMS | .333 | .556 | .538 | 1.094 |
5 | 楢岡 美和 | 九州ハニーズ | .364 | .545 | .533 | 1.079 |
6 | 中江 映利加 | 阪神タイガースW | .500 | .417 | .625 | 1.042 |
7 | 蜜浦 さくら | 阪神タイガースW | .400 | .600 | .438 | 1.038 |
8 | 田中 亜里沙 | 阪神タイガースW | .438 | .563 | .471 | 1.033 |
9 | 清水 優花 | 埼玉西武LL | .333 | .556 | .455 | 1.010 |
出塁率と長打率を足し算した数値であるOPSは、ZENKO BEAMSの山本悠未選手が1.412で1位に。今季セリーグで三冠王争いを独走するヤクルトの村上宗隆選手のOPSが1.230なので、比較的長打が少ない女子野球でこの成績がいかに驚異的なものであるか分かります。その後は僅差で合計9選手が1.000を超える非常に優秀な成績を収めています。
クラブ選手権打者成績編、いかがでしたでしょうか?
劇的な逆転勝利も多くみられたこの大会は、各チームの上位打線を筆頭に非常に優秀な成績を収めている選手も多く見られました。また、各部門にランクインする選手を見ていると準決勝に進んだ4チームのチームカラーが少し見えてきます。
次回は投手成績を紹介していきます。お楽しみに!!