【東北編】2022年の女子野球を振り返って〜拡がれ女子野球(菊地翔太)〜

2022年は東北の女子野球の歴史が大きく動いた1年でした。

今年度より、弘前学院聖愛高校(青森)、惺山高校(山形)、学法石川高校(福島)に女子硬式野球部が創部。昨年度創部の盛岡誠桜高校(岩手)、日本ウェルネス宮城高校(宮城)も本格始動し、クラーク記念国際高校仙台キャンパス(宮城)、花巻東高校(岩手)と合わせて、高校の女子硬式野球部は7校となりました。

そして、4月には先にあげた7校にクラブチームの福島レッドホープスレディースが加わり、「東北女子硬式野球連盟」が発足。初年度となる東北リーグが開幕しました。私自身も、後期シーズン数試合を現地で観戦させていただきましたが、これまで以上に試合経験を積めることにより、東北全体の女子野球のレベルが徐々に上がっているのを感じました。

その一方で、試合日程が公にされていない為、観戦者の大多数が関係者であったのは残念でした。まだ始まったばかりのリーグなので、来年以降考えていってほしいところです。

7月末から8月上旬にかけて、兵庫県で開催された全国高等学校女子硬式野球選手権大会(決勝戦は阪神甲子園球場)には、東北から史上最多の5校が参加。(弘前学院聖愛高校、日本ウェルネス宮城高校は不参加)

・花巻東高校(岩手)
1回戦 vs作新学院(栃木) ○9-6
2回戦 vs蒲田女子・小石川連合(東京) ○14-0
3回戦 vs京都両洋(京都) ●0-7
・盛岡誠桜高校(岩手)
2回戦 vs札幌新陽(北海道) ●1-8
・クラーク記念国際高校仙台キャンパス(宮城)
1回戦 vs啓明学館(愛知) ○24-0
2回戦 vs神戸弘陵(兵庫) ●不戦敗
・惺山高校(山形)
1回戦 vs岐阜第一(岐阜) ●3-10
・学法石川高校(福島)
1回戦 vs横浜隼人(神奈川) ●1-5

花巻東高校のベスト16が東北勢最高成績。初参戦の高校も全てが大会初得点を記録しました。

その花巻東高校が魅せてくれたのが、新チームによる秋のユース大会でした。1回戦で、高知中央高校を延長タイブレークの末逆転勝ちすると、2回戦・3回戦を相手チームの棄権による不戦勝で勝ち上がり、準々決勝で神村学園高等部(鹿児島)相手にまたしても延長タイブレークの末に勝利。準決勝では、岡山学芸館高校に中盤までリードを許しながらも逆転勝ち。

決勝戦では、強豪・神戸弘陵高校(兵庫)に敗れはしたものの、堂々たる準優勝という成績となりました。この快進撃は、県内ニュースにも大きく取り上げられ、岩手県内への女子野球の知名度アップに繋がったのは間違いありません。

東北の女子野球が確実に前に進んだ年であったものの、まだまだ発展途上。来年からは仙台大学に女子硬式野球部が創部されることが発表されています。高校卒業後に東北で女子野球を続けられる環境が更に増えていけば嬉しいです。

2023年は『東北女子野球躍進の年』になることを期待しつつ、女子野球の普及に引き続き力になりたいと思います。

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