【中国編】2022年の女子野球を振り返って 〜MSH医療専門学校部長・野々村聡子〜

MSH医療専門学校部長 野々村聡子

ーー今年の中国地方の女子野球はどんな1年でしたか?

昨年、中四国連盟が立ち上がり、今年は初めてリーグ戦を開催することができました。前期後期合わせて50試合はできたので、単純に試合をする機会を増やすことはできました。球場を確保したり、スケジュールを組んだりすることは思っていたよりも大変で、来季に向けての反省点もたくさんありました。

実際にリーグを運営していく中では運営側の人員不足や費用の面が課題だと感じています。中四国で女子野球を盛り上げていく中でもっともっとやりたいことはありますが、スポンサーさんを集めたり、運営側の人員を確保したりしていかなければいけないのかなと感じました。

ーー中国地方から全国で戦っていくに当たって、どの様なことを目標としていきたいですか?

クラブ選手権や全日本選手権でも残っているチームが少ないというか、早々に負けてしまったという印象が今年は強かったので、地域で一丸となって、勝ち残っていけるチームが中国地方から出ていけるようにしたいです。また、侍ジャパンに選ばれたのも中国地方からは村松選手(はつかいちサンブレイズ)だけなので、日本代表でも活躍できる選手を排出できたらいいなとは思っています。

やっている選手たちは関東や関西に勝つというよりは目の前の一戦という感覚だとは思いますが、連盟が立ち上がってから私たちは関東や関西に必死についていこうという思いがあります。全国大会で上位に残るチームが中国地方からでたり、関東や関西の強豪チームに勝つチームが出てくれば嬉しいので、試合数や運営面でも負けないようにやっていきたいです。

ーー今年は侍ジャパンの合宿も広島県で行われたことでも注目を集めたのではないですか?

女子野球タウンの三次市で合宿が行われて、県内・市内でも凄く盛り上がったので、女子野球の認知拡大という面でも効果があったと思います。広島県内では女子プロ野球があったことさえも知らない人も未だに多いので、こういう機会がもっとあればいいなと感じました。

広島県では廿日市市と三次市が女子野球タウンに認定され、大会も行っていることで少しずつ認知されつつあります。テレビやメディアの露出も増えていて、リーグ戦の決勝戦では三次きんさいスタジアムという素晴らしい球場を使わせてもらって、市をあげて宣伝をしてくれたので、予想以上に多くの方々に見にきてもらえました。今年からリーグ戦をスタートし、1年間通してリーグ戦をしたことで予想以上に女子野球が拡がったと感じました。

ーー中国地方として、来年以降どのような取り組みを行っていきたいですか?

まず、すぐにできることとしてはSNSやHPでの発信をもっと充実させていきたいです。今年は試合や野球教室を多くできましたが、発信の部分がなかなかできなかったことが課題に感じました。全国や世界中の人たちに「中四国の女子野球も頑張っている」ということを認知してもらいたいです。

そして来年は新たに中国では岡山と山口、四国にも高知にクラブチームができて、リーグとしてもチームが増えるので、1部・2部・3部というように少し変えながらやっていく予定です。まずはチーム数が増えることは嬉しいことですが、弱いチームがたくさんあるというのも情けないので、レベルアップもしっかりとしていければいいなと思っています。

〈インタビュアー:megaphone編集長・小石涼〉

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