全日本クラブ選手権 個人成績

女子硬式野球のクラブ日本一を決める第16回全日本女子硬式クラブ野球選手権大会。西武・阪神のNPB対決でも注目を集め、エイジェックの劇的な逆転優勝で幕を閉じました。NPBなどとは異なり、個人の成績に注目されることが少ない女子野球ですが、今大会の個人成績に注目しながら振り返ることで新たな発見や楽しみ方をすることができます。

本記事では、最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・首位打者・打点王・盗塁王の投打それぞれ3部門を集計しました。

※本記事上の記録はmegaphone独自の集計です

最多勝

コールドゲームが多く、勝利投手の選出方法が曖昧になってしまうため、先発・救援の区別無くチームが最終的な勝ち越し点を挙げた当時に投球していた投手を勝利投手とする方法を採用しました(NPBオープン戦・オールスターゲームと同様の方法)。

順位勝利数選手名所属チーム
14勝田中 露朝ZENKO BEAMS
22勝小原 美南東海NEXUS
22勝小野寺 佳奈エイジェック
22勝竹村 理エイジェック
22勝花ヶ崎 依里ハナマウイ

最多勝には全5試合に登板し、チーム勝利数と並ぶ4勝を挙げた田中露朝投手が輝いた。2位には2完投でチームを3位に導き敢闘賞を受賞した小原美南投手(東海NEXUS)、優勝チーム・エイジェックの柱として活躍した小野寺佳奈・竹村理、淡路BO戦で完投勝利の花ヶ崎依里投手(ハナマウイ)がそれぞれ2勝をあげている。

最多となる4勝を挙げた田中露朝投手(ZENKO BEAMS)

最優秀防御率

規定投球回は10イニングとし、7イニングあたりの自責点として算出しました。投球回10回を達成した投手は5人で、最多投球回は田中露朝投手の19 2/3回。

順位防御率選手名所属チーム投球回
10.70泰 美勝ZENKO BEAMS10回
21.40小野寺 佳奈エイジェック10回
32.00小原 美南東海NEXUS14回
42.10辻 彩夢東近江バイオレッツ13 1/3回
52.85田中 露朝ZENKO BEAMS19 2/3回

最優秀防御率は防御率0.70の成績を収めた泰美勝投手が受賞。泰投手はエース・田中露朝投手の圧倒的な活躍の影に隠れながらも、準決勝のハナマウイ戦では先発7回1失点の好投。勝ち星にこそ恵まれなかったものの、チーム準優勝に大きく貢献している。

防御率0.70の活躍で準優勝に貢献した泰美勝投手(ZENKO BEAMS)

最多奪三振

男子野球と比較すると、女子野球における1試合あたりの三振の数は少ないです。女子野球界において奪三振能力の高さは非常に貴重な能力となってきます。

順位奪三振選手名所属チーム投球回
111 奪三振小野寺 佳奈エイジェック10回
28 奪三振田中 露朝ZENKO BEAMS19 2/3回
37 奪三振竹村 理エイジェック7回
37 奪三振清水 美佑埼玉西武LL7回
37 奪三振辻 彩夢東近江バイオレッツ13 1/3回

最多奪三振は準決勝の東海NEXUS戦で完投勝利をあげる活躍でチームを優勝に導いた小野寺佳奈投手(エイジェック)が受賞。小野寺投手はこの大会では唯一となる2ケタ奪三振で他投手を引き離した。上位ランクインの中で異彩を放つのは清水美佑投手(埼玉西武LL)。清水投手はこの中では唯一となる1試合のみの登板ながら、強力阪神打線から7つの三振を奪った。

首位打者

準決勝進出4チームを対象に、規定打席は10打席としました。

順位打率選手名所属チーム打席打数安打
1.615辻野 玲奈エイジェック14138
2.500坂口 英里ZENKO BEAMS17168
3.471小島 也弥エイジェック19178
3.471小清水 悠ZENKO BEAMS18178
5.455斎藤 さやかエイジェック15115
6.444小原 美南東海NEXUS1294
7.429河野 朱加里ZENKO BEAMS16146
8.400一尾 星吏夏ハナマウイ13104
8.400湯浅 紗恵エイジェック10104
8.400本吉 若菜ハナマウイ11104
参考.750横山 彩実東近江バイオレッツ1086
.400以上の選手のみ記載

首位打者は13打数8安打、打率.615という驚異的な成績で大会MVPも受賞している辻野玲奈選手(エイジェック)。2位には準優勝ZENKOの4番・坂口英里選手がランクイン。最多安打は4選手同率となる8安打。クラブ選手権決勝では例年とは異なる打撃戦となった今大会だが、優勝のエイジェック、準優勝のZENKO BEAMSの選手が多くランクインした。また今回の集計対象外となるため、参考記録としたものの、東近江バイオレッツの横山彩実選手が10打席8打数6安打、打率.750という好成績を収めている。

打率.615の成績でMVPを獲得した辻野玲奈選手(エイジェック)

打点王

プロ野球などとは異なりホームランがほとんど出ない女子野球では、ここ一番での勝負強さが非常に重要となります。また、2塁からワンヒットで返ることができないケースも多いため、きちんとランナーを返すバッティングが必要とされ、打点は重要な指標となります。

順位打点選手名所属チーム
18坂口 英里ZENKO BEAMS
27小島 也弥エイジェック
36川端 友紀エイジェック
45楢岡 美和エイジェック
45辻野 玲奈エイジェック
64内永 芽依ZENKO BEAMS
64鶴見 栞奈ハナマウイ
64小原 美南東海NEXUS
64青木 悠華東海NEXUS

打点王は全試合4番で出場し、8打点を挙げた坂口英里選手(ZENKO BEAMS)。坂口選手は全7本の安打の内5本がタイムリーヒットという勝負強い打撃で、決勝戦でも4打点の活躍を見せている。2位以下にはエイジェックの小島・川端・楢岡・辻野といった打線の中心として優勝に貢献した選手が並ぶ。東海NEXUSの小原美南選手は投手登録ながら4打点の活躍。小原選手は勝利数・防御率・打率・打点においてランキングに名を連ねているなど、投打にわたる活躍で敢闘賞を受賞した。

全試合4番で出場し、8打点の活躍を見せた坂口英里選手(ZENKO BEAMS)

盗塁王

順位盗塁数選手名所属チーム
17小島 也弥エイジェック
25小清水 悠ZENKO BEAMS
34楢岡 美和エイジェック

盗塁王はエイジェックの主将・小島也弥選手。小島選手は5試合全ての試合で盗塁を決め、合計7つの盗塁を成功させた。小島選手は本記事で取り上げた打撃3部門全てにランクインするなど、今季全国2冠を成し遂げたエイジェックの主将として申し分のない活躍を見せた。

画像
7盗塁を決めたエイジェックの主将・小島也弥選手

数値化でさらなる楽しみを!!

プロ野球や高校野球とは異なり、女子野球の選手個人成績は現段階でピックアップされることはほとんどありません。現地での観戦における選手たちの空気感や距離感の近さなど、数値で測れない魅力も多いのが女子野球の特色でもありますが、選手個人の成績に注目して大会を振り返ってみることも楽しみ方の一つになると思います。

また、データの収集方法や活用方法が明確化されつつある現代野球において、“女子野球”のデータを収集し研究してみることで新たな発見があるかもしれません。

「女子野球×数値化」というまだあまり深追いされていない分野についてもmegaphoneでは今後も考察していきたいと思います!!

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