第16回全日本女子硬式クラブ野球選手権大会 10月11日準決勝・決勝試合結果

女子野球のクラブ日本一を決定する全日本クラブ選手権。大会最終日となる10月11日の全試合結果をお届けします。ここまでの2日間を勝ち上がったハナマウイ・ZENKO BEAMS・東海NEXUS・エイジェックが準決勝・決勝を戦いました

10月11日全試合結果

この日は準決勝2試合と決勝戦のの計3試合が千葉県市原市のゼットエーボールパークで行われた。

準決勝ゼットエー1ハナマウイ1-2ZENKO BEAMS
準決勝ゼットエー2東海NEXUS2-6エイジェック
決勝戦ゼットエー3エイジェック9-6ZENKO BEAMS
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準決勝 第1試合 ハナマウイ 対 ZENKO BEAMS

それぞれ2回目の頂点を目指すハナマウイ・ZENKO BEAMSの対戦となった準決勝第1試合。試合はハナマウイ・村川とZENKO・泰の両先発が好投を続け、今大会初の延長タイブレークに持ち込まれた

ZENKOの先発左腕・泰はここまでの3試合で21得点を記録した強力ハナマウイ打線を3安打に封じ込める好投で7回1失点。タイブレークとなった8回には前日の西武戦で完封勝利を挙げたエース・田中露朝が登板。先頭打者に死球を与え、無死満塁のピンチを作るも後続を抑え無失点に切り抜ける。最後は5番河野が1死満塁から初球を捉え、レフト前サヨナラタイムリー。今大会2試合目のサヨナラ勝ちで決勝進出を決めた。

サヨナラタイムリーを放った河野選手

敗れたハナマウイは2大会連続の3位という結果で大会を終えた。前日の森監督へのインタビューでは「継投で戦います」とのことだったが、先発の村川がランナーを背負いながらも粘りの好投を続け完投。最後はタイブレークで点を失い敗戦投手となるも、全国大会の舞台で堂々のピッチングを披露した。

ハナマウイ・森監督コメント
「難しいゲームでした。タイブレークでバントをしようかとも迷ったのですが、田中露朝投手はものすごくフィールディンが上手いので、本当に上手いバントをしなければなりませんが、彼女の球でそれをするのは難しいです。あのフィールディングは日本で彼女しかできないと思います。(3位という結果について)あまり欲張っては良くないですが、こういうゲームだと欲も出ますよね。大きく離れていれば仕方ないなと思えるのですが、勝てるシーン・向こうに流れがいくのを阻止したシーンがあったシーソーゲームだったので。(大会全体を振りると)80点くらいですかね。(今後に向けて)何人かやめる選手もいる中で、若返りというのは必要かなと感じました。他のチームを見ていてもベテランの活躍が目立っていたので、女子野球界全体を考えても今回のクラブ選手権はそのように感じました。」

先発完投の村川投手(ハナマウイ)

準決勝 第2試合 東海NEXUS 対 エイジェック

準決勝第2試合は共に初優勝を狙う東海NEXUSとエイジェックの一戦。ここまで細かい継投で勝ち上がってきたエイジェックだが、この試合は先発した新人右腕の小野寺が完投勝利を収めた。小野寺は2回、死球と自らの守備の乱れから2点を失うも、終わってみれば被安打3で完投。打線は小野寺の力投に応え、5回に5番辻野の適時二塁打で逆転。6回にも主将・小島のダメ押し2点タイムリーで突き放し、決勝戦に駒を進めた。

先発完投で勝利投手となった小野寺投手(エイジェック)

敗れた東海NEXUSは創部1年目にして2つの全国大会で3位入賞となった。7番笹沼のスクイズで先制、9番青木のタイムリーで2点のリードを奪い、堀田・笹沼・小原の3投手を継投するも、強力エイジェック打線の勢いを止めることはできなかった。

東海NEXUS・碇監督コメント
自分自身も10年以上ぶりにこの大会に参加して、女子野球のレベルが上がっている、環境が本当に良くなっているということを大会を通じて感じました。前回は選手でしたが、監督という立場で戻ってきたことにも感慨深いものを感じていました。このような大きな大会を通して選手たちはすごく成長していくので、目標を作ってくれるということはありがたいことだなと思います。上は日本代表、下は初心者という11人のメンバーで、選手たちはよく頑張ってくれたと思います。全力を出したからこそ、3位という結果は凄く悔しいですが来年はこの色を変えよう!と前向きに捉えて明日から次の目標に向けて頑張っていきます。」

先発した堀田投手(東海NEXUS)

決勝戦 エイジェック 対 ZENKO BEAMS

決勝戦はエイジェックのエース・小松をZENKO打線が捉え、2回までに6点をリードする展開となった。リードを許したエイジェック打線は3回・4回と打者一巡の猛攻でZENKOのエース・田中露朝を攻め立て逆転に成功。その後は3回から登板した竹村が4回を無失点に抑える好リリーフで勝利投手に。最後は森が三振で締め、クラブ選手権初優勝・今季の全国大会2冠を成し遂げた。

エイジェック・広橋監督コメント
「まさか女の子たちから胴上げされるとは思わなかったですが、やはり嬉しいですね。夏の全日本選手権・ヴィーナスリーグ・クラブ選手権と3連覇できたことが嬉しいです。決勝戦では小松が打たれましたが、小松で勝った試合の方が数段多いので、この試合を糧にエースに成長して、小松・小野寺・竹村の3本柱として頑張って欲しいです。(小野寺・竹村の若い投手の活躍について)ベテランがしっかりとやってくれている姿勢を見習った結果だと思います。やはりベテラン・中堅・若手は必要ですね。(今後に向けて)歴史が今始まったと選手には話しました。常勝のチームを作っていきたいと思います。」

エイジェック・小島主将コメント
「全日本で優勝した直後の関東予選でハナマウイに負けたことで一段と引き締まった部分があったので、結果的には負けて良かったなと思います。ピッチャーが全員頑張ってくれてり、総合力で一戦一戦勝てたのでそういう部分が良かったと思います。(相手先発の田中露朝投手について)ここまでずっと投げてきて疲れもあると思うので、特に意識せずきた球を打とうという気持ちで臨みました。6点のリードを許しましたが、この点差なら取れると声をかけながら、全員がつなぐ意識で逆転することができました。」

好リリーフで勝ち投手となった竹村投手(エイジェック)

敗れたZENKO BEAMSは4番・坂口が4打点の活躍で一時は6点をリード。田中露朝・藤田・安武の3投手の継投、最後は代打攻勢で合計17人の選手が出場する総力戦となったが、惜しくも敗れ準優勝となった。

ZENKO BEAMS・岡部監督コメント
「ここまできたから勝ち負けよりも自分たちがやってきたことをぶつけようと話し、試合に望みました。最初にリードを奪う展開となりましたが、エイジェックさんはやはり底力がありました。挑戦者として来年もチャレンジしていきます。(来年に向けて)まずは休ませてあげたいですね。そこからまた冬のトレーニングに励みます。」

4番捕手で出場し、先制タイムリーを含む4打点の活躍を見せた坂口選手(ZENKO BEAMS)

大会結果・個人賞・表彰式の様子

3位 ハナマウイ

敢闘賞:本吉若菜
敢闘賞には全試合に出場し、2本の三塁打を含む打率.400の結果を残した本吉若菜選手が選出された。

敢闘賞を受賞した本吉若菜選手

3位 東海NEXUS

敢闘賞:小原美南
敢闘賞には2試合に先発し、完投勝利を収めた小原美南選手が選出された。小原選手は打者としても全試合6番で出場し、4安打4打点の活躍を見せた。

敢闘賞を受賞した小原美南投手

準優勝 ZENKO BEAMS

優秀選手賞:田中露朝
優秀選手賞は全5試合に登板し、2完封を含む4勝を挙げた田中露朝投手が選出された。

優秀選手賞を受賞した田中露朝選手

優勝 エイジェック

最優秀選手賞:辻野玲奈
最優秀選手賞には決勝戦での逆転タイムリーを含む今大会8安打、打率.615の活躍を見せた辻野玲奈選手が選出された。

最優秀選手賞を受賞した辻野玲奈選手

過去最多の21チームが参加し、西武・阪神のNPB対決が行われるなど、過去に類のない注目を集めたクラブ選手権はエイジェックの初優勝で幕を閉じた。この注目度が来年以降も持続し、高校・大学・クラブ関係なく女子野球界全体が盛り上がっていくことに期待です!!

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