

MSH医療専門学校
部長 野々村聡子
2021年の女子野球。中国地方では広島の2都市が女子野球タウンに認定されたことと、そのうちの一つである三次市で第7回西日本大会を開催したことが大きな出来事でした。
また、今年の秋には中四国女子硬式野球連盟が立ち上がりました。各地方で連盟を立ち上げてリーグ戦をしている中で、中国・四国地方は遅れをとっており、レベルをあげていかなければならないと感じていました。来年は中四国で15チームとチーム数も増えたので、リーグ戦も開催する準備を進めています。各チームの代表者さん達と協力して中四国の女子野球を盛り上げていきたいと思います。
今年の女子野球を振り返ると、高校女子野球の甲子園開催はやはり騒がれました。そのタイミングで広島県の女子野球タウン認定のニュースが県内に流れたので、良い流れに乗ることができました。広島県では女子プロ野球があったということを知らなかった人も多く、甲子園のニュースから「三次市もそうだよね」「廿日市市もそうだよね」と注目していただけました。新聞や県内のローカルニュースだけでも取り上げてもらうことで県内に「女子野球」が拡まったと思います。

女子野球タウンに認定されたことで、協力してくださる方も増えました。“市をあげて”、“県をあげて”など、支援の規模・力は確実に大きなものになりました。今まで全く女子野球を知らなかった方にも知ってもらうことができ、「協力をしてくださる方が増えたな」と実感した1年でした。
そして、カープのOBの浅井さんも私と一緒に女子野球アンバサダーに任命され、広島カープも女子野球普及活動に協力していただきました。カープとは野球教室の開催など、「まずは小中学生の女の子が野球できる場所を作る」ということに力を入れて活動していきたいと考えています。
今季もカープにはHPや公式戦のビジョンで告知をしていただくなど、告知の部分で多大なご協力をいただきました。またボールの提供など、物品の部分でも助けていただいたことは多かったので、リーグ戦開始後もご協力をいただき、共に盛り上げていきたいと考えております。

西日本大会は昨年まで東広島市で開催していましたが、今年は女子野球タウン・三次市で行われました。昨年までは“試合をする”ということがメインで、盛り上げや広報の部分は考えたこともありませんでした。
今年の大会は三次市や広島県、カープのバックアップもあり、のぼりや出店を出すなどを華やかに行うことができました。ゲストには南海キャンディーズのしずちゃんが来てくださり、YouTube配信をし、600人の参加選手全員にカープとコラボしたTシャツを配るなど、全国で一番豪華な大会になったのではないでしょうか。
とにかく試合を多くしたいという思いで7年前にスタートした大会なので、今後もそこは変えずに行っていきたいと考えています。ただ、チーム数もキャパオーバーなくらいの参加があったので、今後どのように開催していくか模索している部分もあります。「選手みんなが参加したい」「またいきたい」と思えるお祭りのような大会にしていきたいなと思います。

中国地方の女子野球はチーム数まだまだ少なく、関東や関西と比べて移動距離がすごく長くなってしまうなど、リーグ戦にしても練習試合にしても課題は多いです。まずはチーム数が増えることが中国地方でも女子野球が盛り上がっていくことの一番の近道なのかなと考えています。もっとチームが増えていくことを願っています。
最後に、10年前とは比べ物にならないくらいチーム数も増えて、NPB球団を初め、各地で女子野球に対して協力してくださる団体や企業は増えてきています。女子野球の未来は明るいのではないでしょうか。
〈文字起こし・編集:megaphone編集長・小石涼〉