
今年から開催時期を10月に変更し、高校・大学・クラブ各カテゴリーの全国大会で優秀な成績を残したチームの参加となった全日本選手権。名実ともに『女子硬式野球日本一』を決める大会となった今大会は決勝戦でのタイブレークを制したエイジェックが大会連覇の偉業を成し遂げ幕を閉じました。
試合終盤での逆転劇やタイブレークにもつれる激戦など、手に汗握る好ゲームが多かった今大会を記録で振り返っていきます。

第三弾はチーム打撃記録編。準々決勝に進出した8チームを対象とし、各チームがどの様な戦いをしてきたのかを数値の面から分析していきます。
※本記事上の記録はmegaphone独自の集計です。
Contents
チーム打撃記録
チーム名 | 結果 | 試合 | 打席 | 打数 | 安打 | 得点 | 塁打 | 盗塁 | 四球 | 死球 | 三振 |
エイジェック | 優勝 | 5 | 157 | 124 | 45 | 28 | 57 | 4 | 17 | 6 | 17 |
神戸弘陵学園高校 | 準優勝 | 5 | 169 | 129 | 35 | 26 | 47 | 12 | 16 | 5 | 11 |
埼玉西武LL | 3位 | 4 | 105 | 83 | 21 | 12 | 24 | 5 | 17 | 0 | 7 |
阪神TW | 3位 | 3 | 95 | 76 | 21 | 14 | 27 | 2 | 8 | 1 | 8 |
履正社高校 | ベスト8 | 3 | 95 | 78 | 28 | 13 | 33 | 6 | 9 | 1 | 7 |
ゴールドジム | ベスト8 | 3 | 83 | 70 | 18 | 8 | 20 | 1 | 6 | 2 | 10 |
東海NEXUS | ベスト8 | 3 | 87 | 69 | 22 | 14 | 28 | 12 | 8 | 3 | 4 |
九州ハニーズ | ベスト8 | 2 | 58 | 50 | 8 | 2 | 9 | 2 | 4 | 0 | 8 |
まずは基本的な打撃記録から。優勝のエイジェックは5試合で45安打を放ち28得点。個人の打撃成績で上位にランクインする選手も多かったですが、チーム単位で見ても打撃力の高さが分かります。準優勝の神戸弘陵学園高校は安打数・塁打数ではエイジェックに少々劣るものの、得点は26とエイジェックに匹敵する数値に。ここぞという場面での勝負強さが窺える結果です。

1試合あたりの打撃記録
チーム名 | 結果 | 試合 | 打席 | 打数 | 安打 | 得点 | 塁打 | 盗塁 | 四球 | 死球 | 三振 |
エイジェック | 優勝 | 5 | 31.4 | 24.8 | 9.0 | 5.6 | 11.4 | 0.8 | 3.4 | 1.2 | 3.4 |
神戸弘陵学園高校 | 準優勝 | 5 | 33.8 | 25.8 | 7.0 | 5.2 | 9.4 | 2.4 | 3.2 | 1.0 | 2.2 |
埼玉西武LL | 3位 | 4 | 26.3 | 20.8 | 5.3 | 3.0 | 6.0 | 1.3 | 4.3 | 0.0 | 1.8 |
阪神TW | 3位 | 3 | 31.7 | 25.3 | 7.0 | 4.7 | 9.0 | 0.7 | 2.7 | 0.3 | 2.7 |
履正社高校 | ベスト8 | 3 | 31.7 | 26.0 | 9.3 | 4.3 | 11.0 | 2.0 | 3.0 | 0.3 | 2.3 |
ゴールドジム | ベスト8 | 3 | 27.7 | 23.3 | 6.0 | 2.7 | 6.7 | 0.3 | 2.0 | 0.7 | 3.3 |
東海NEXUS | ベスト8 | 3 | 29.0 | 23.0 | 7.3 | 4.7 | 9.3 | 4.0 | 2.7 | 1.0 | 1.3 |
九州ハニーズ | ベスト8 | 2 | 29.0 | 25.0 | 4.0 | 1.0 | 4.5 | 1.0 | 2.0 | 0.0 | 4.0 |
各チームの1試合あたりの記録がこちら。安打数の記録を見ると、準々決勝敗退の履正社高校が優勝のエイジェックを上回る9.3本/試合という結果に。今大会では送りバントやスクイズを多用する緻密な野球をしながら、単純な打力もトップレベルの成績を残していました。

盗塁の記録を見ると、東海NEXUSが1試合あたり4.0個という記録で他のチームを突き放しています。東海NEXUSは1番の藤原和那子を筆頭に各選手が果敢に盗塁を決めています。四球数を見ると、埼玉西武LLが1試合あたり4.3個で1位に。西武LLは初戦の開志学園戦、準々決勝の東海NEXUS戦で四球から作ったチャンスをものにして1点差のゲームを勝利。比較的投手戦になることが多い女子野球の試合において、粘り強く四球を選び少ないチャンスをものにできる強さを感じました。
チーム打撃各指標
チーム名 | 結果 | 試合 | 打率 | 長打率 | 出塁率 | OPS |
エイジェック | 優勝 | 5 | .363 | .460 | .463 | .922 |
神戸弘陵学園高校 | 準優勝 | 5 | .271 | .364 | .373 | .738 |
埼玉西武LL | 3位 | 4 | .253 | .289 | .380 | .669 |
阪神TW | 3位 | 3 | .276 | .355 | .353 | .708 |
履正社高校 | ベスト8 | 3 | .359 | .423 | .432 | .855 |
ゴールドジム | ベスト8 | 3 | .257 | .286 | .333 | .619 |
東海NEXUS | ベスト8 | 3 | .319 | .406 | .413 | .818 |
九州ハニーズ | ベスト8 | 2 | .160 | .180 | .222 | .402 |
続いて、各チームの打率・長打率・出塁率・OPSがこちら。4部門全てでエイジェックがトップの成績を収めています。昨年優勝時の打線からメンバーの入れ替わりがあり、投手力の高さが目立つことが多いエイジェックですが、今大会では上位から下位まで全選手が活躍していた印象を受けました。このデータはその印象を裏付けるものとなりました。
各部門の次点は履正社高校、僅差で3位は東海NEXUSが好成績を記録。両チームは準々決勝では1得点で敗れたものの、1回戦・2回戦で見せた勢いのある打線は非常に魅力的なものでした。3位の埼玉西武LLは是述の通り四球数が多く、長打率に対して出塁率の高さが目立つ結果に。クラブ選手権でも出塁率の高さが目立つ結果となった西武LL。両大会で3位と安定した好成績を残している要因の一つになっているのではないでしょうか。

チーム打撃記録編、いかがでしたでしょうか?
対戦相手や試合数も全く異なるトーナメントでの成績なので、あくまでも参考程度にはなりますが、好成績を残すチームの特色や傾向が少しだけ見えてきます。
明日はチーム投手記録を紹介していきます。お楽しみに!!