
今年から開催時期を10月に変更し、高校・大学・クラブ各カテゴリーの全国大会で優秀な成績を残したチームの参加となった全日本選手権。名実ともに『女子硬式野球日本一』を決める大会となった今大会は決勝戦でのタイブレークを制したエイジェックが大会連覇の偉業を成し遂げ幕を閉じました。
試合終盤での逆転劇やタイブレークにもつれる激戦など、手に汗握る好ゲームが多かった今大会を記録で振り返っていきます。

第一弾は打者成績編。本記事では、打率・打点・長打率・出塁率・OPSの打者5部門を集計しました。
準決勝進出の4チームを対象とし、規定打席は10打席と設定しました(規定打席到達選手:31名)。
※本記事上の記録はmegaphone独自の集計です。
Contents
打率:指名打者としてエイジェックを大会連覇に導く
選手名 | 所属チーム | 打数 | 安打 | 打率 | |
1 | 磯部 舞弥 | エイジェック | 13 | 8 | .615 |
2 | 清水 優花 | 埼玉西武LL | 11 | 6 | .545 |
3 | 大野 七海 | エイジェック | 13 | 6 | .462 |
4 | 三浦 伊織 | 阪神TW | 11 | 5 | .455 |
5 | 島田 羽菜 | 神戸弘陵学園 | 14 | 6 | .429 |
6 | 蜜浦 さくら | 阪神TW | 7 | 3 | .429 |
7 | 塩谷 千晶 | エイジェック | 15 | 6 | .400 |
7 | 安藤 蓮姫 | 神戸弘陵学園 | 15 | 6 | .400 |
7 | 安達 瑠 | エイジェック | 10 | 4 | .400 |
首位打者は優勝のエイジェック・磯部舞弥選手。磯部選手は13打数8安打、打率.615の成績を収めています。主に5番指名打者として出場し、全試合の第1打席に安打を放っているなど、試合序盤にチームを勢いづける活躍も印象的。2位には埼玉西武LLの1番打者・清水優花選手がランクイン。清水選手も全試合で安打を放つなど、1番打者としての役割を全うする活躍ぶりでした。
打点:勝負強い打撃で8打点をあげ大会MVPを獲得

選手名 | 所属チーム | 打席 | 安打 | 打点 | |
1 | 塩谷 千晶 | エイジェック | 16 | 6 | 8 |
2 | 磯部 舞弥 | エイジェック | 16 | 8 | 6 |
2 | 安藤 蓮姫 | 神戸弘陵学園 | 19 | 6 | 6 |
4 | 三浦 伊織 | 阪神TW | 11 | 5 | 4 |
4 | 斎藤 さやか | エイジェック | 16 | 3 | 4 |
4 | 大野 七海 | エイジェック | 17 | 6 | 4 |
4 | 國富 瑞穂 | 神戸弘陵学園 | 19 | 3 | 4 |
最多打点は大会MVPのエイジェック・塩谷千晶選手。塩谷選手は捕手として投手陣を牽引しながら、勝負強い打撃で8打点をあげる活躍。準決勝では先制とダメ押しの2本のタイムリーを放ち、完封勝利の竹村投手を攻守に渡りアシストする姿が印象的でした。チーム別に見ると上位には優勝のエイジェックの選手が多くランクイン。エイジェックは上位打線から下位打線まで試合ごとに様々な選手が打点をあげる活躍をしていた印象を受けました。
長打率:準々決勝で2打席連続の三塁打を放ち長打率.818を記録

選手名 | 所属チーム | 打数 | 安打 | 塁打 | 長打率 | |
1 | 三浦 伊織 | 阪神TW | 11 | 5 | 9 | .818 |
2 | 安達 瑠 | エイジェック | 10 | 4 | 8 | .800 |
3 | 磯部 舞弥 | エイジェック | 13 | 8 | 8 | .615 |
4 | 塩谷 千晶 | エイジェック | 15 | 6 | 9 | .600 |
5 | 蜜浦 さくら | 阪神TW | 7 | 3 | 4 | .571 |
6 | 清水 優花 | 埼玉西武LL | 11 | 6 | 6 | .545 |
7 | 島田 羽菜 | 神戸弘陵学園 | 14 | 6 | 7 | .500 |
7 | 湯浅 紗恵 | エイジェック | 12 | 4 | 6 | .500 |
7 | 佐々木 希 | エイジェック | 12 | 4 | 6 | .500 |
長打率は阪神タイガースWomenの主将・三浦伊織選手が僅差で1位に。常に長打を放っている印象のある三浦選手ですが、今大会では準々決勝試合終盤での2本の三塁打が特に印象に残りました。勝負どころでの2本の三塁打は相手の勢いを完全に断ち切るものだったと感じました。
出塁率:優勝のエイジェックの中軸を担った2選手が同率で1位
選手名 | 所属チーム | 打率 | 出塁率 | |
1 | 磯部 舞弥 | エイジェック | .615 | .667 |
1 | 安達 瑠 | エイジェック | .400 | .667 |
3 | 清水 優花 | 埼玉西武LL | .545 | .615 |
4 | 大野 七海 | エイジェック | .462 | .563 |
5 | 正代 絢子 | 神戸弘陵学園 | .250 | .526 |
6 | 安藤 蓮姫 | 神戸弘陵学園 | .400 | .471 |
7 | 島田 羽菜 | 神戸弘陵学園 | .429 | .467 |
8 | 英 菜々子 | 埼玉西武LL | .222 | .462 |
9 | 三浦 伊織 | 阪神TW | .455 | .455 |
9 | 前田 桜茄 | 阪神TW | .333 | .455 |
出塁率はエイジェックの磯部舞弥選手・安達瑠選手が同率で1位に。強力エイジェック打線の中軸を担う両選手は出塁率の高さでも得点に貢献していました。出塁率と打率の差を表すIsoDの観点から見ると、エイジェックの安達瑠選手、神戸弘陵学園高校の正代絢子選手、埼玉西武LLの英菜々子選手が.250前後の好記録を残しています。主に3番打者を務めていたこの3選手。4番打者に繋ぐ意識の高さが窺えます。
OPS:長打率・出塁率双方で好成績を残し大差でOPS1位を獲得

選手名 | 所属チーム | 長打率 | 出塁率 | OPS | |
1 | 安達 瑠 | エイジェック | .800 | .667 | 1.467 |
2 | 磯部 舞弥 | エイジェック | .615 | .667 | 1.282 |
3 | 三浦 伊織 | 阪神TW | .818 | .455 | 1.273 |
4 | 清水 優花 | 埼玉西武LL | .545 | .615 | 1.161 |
5 | 塩谷 千晶 | エイジェック | .600 | .438 | 1.038 |
6 | 大野 七海 | エイジェック | .462 | .563 | 1.024 |
7 | 蜜浦 さくら | 阪神TW | .571 | .429 | 1.000 |
出塁率と長打率を足し算した数値であるOPSは、エイジェックの安達瑠選手が1.467を記録し大差で1位に。安達選手は脚力を活かして2本の三塁打を放ち、今回集計した中では最多となる8四死球を奪うなど、長打力・出塁力の双方において好成績を記録しています。
全日本選手権打者成績編、いかがでしたでしょうか?
大会連覇を成し遂げたエイジェックはどちらかと言えば投手力の高さに注目が集まりがちなチームですが、今回集計した成績を見ると多くの選手が自分自身の特性を活かした各分野で優秀な成績を収めていました。
明日は投手成績を紹介していきます。お楽しみに!!